『ウマ娘 シンデレラグレイ』は2025年春放送のテレビアニメです。「週刊ヤングジャンプ」で連載中の同名マンガのアニメ化で、2025年6月時点でのコミックスの累計発行部数は800万部を突破しています。
この記事では、『ウマ娘 シンデレラグレイ』に登場するキャラクターのモデルになったと思われる競走馬についてまとめました。
『ウマ娘 プリティーダービー』シリーズに登場するウマ娘たちは、実在した競走馬がモデルになっています。しかし『シンデレラグレイ』については、史実で同名の競走馬が存在するウマ娘たち以外は、モデル等について公式には明らかになっていません。あくまでもネット上での予想や推測をもとにまとめている内容となるため、ご注意ください。
目次
- アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』のストーリー
- アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』は史実に基づいた内容?時代設定はいつ?
- 登場キャラクターの史実のモデルは?
- まとめ
アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』のストーリー
ウマ娘のオグリキャップは、トレーニングセンターのカサマツトレセン学園に入学しました。入学早々、オグリキャップは持ち前の柔軟性を活かした独特の走りを披露し、学園所属のトレーナー・北原穣(きたはら じょう)から自分のチームに加入してレースに出ないかとスカウトされます。
オグリキャップは北原の指導を受けながら、様々なレースに出走。やがて「怪物」と呼ばれる灰被りの少女・オグリキャップが伝説を刻むまでのストーリーです。
メディアミックスコンテンツ『ウマ娘』プロジェクトのひとつで、「週刊ヤングジャンプ」で連載中の同名漫画(漫画/久住太陽、脚本/杉浦理史&Pita、漫画企画構成/伊藤隼之介、原作/Cygames)のアニメ化作品です。
アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』は史実に基づいた内容?時代設定はいつ?
『ウマ娘 シンデレラグレイ』は、オグリキャップを主人公にしたストーリーです。オグリキャップは、史実で活躍した同名の競走馬がモデルであることが明かされています。
漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』の漫画企画構成担当の伊藤隼之介(いとう じゅんのすけ)氏は、史実のオグリキャップの物語を『ウマ娘』シリーズの世界観を用いて描くフィクションであるとコメントしています。またインタビューでは「概ね史実通りにいきますから」と発言したこともありました。
劇中の時代設定は?
伊藤氏はコミックス1巻のあとがきページで『ウマ娘 シンデレラグレイ』の時代設定について、競走馬のオグリキャップが活躍した当時の年代にしてしまうと令和の青年漫画としては共感性を損なってしまうため、「時代設定的な部分をあえてファジー(曖昧)にしています」と綴っています。
しかしながら、競走馬のオグリキャップの物語を描くためには、時代性に関わる要素は必要不可欠なため、伊藤氏はオグリキャップが出走していた1987年〜1990年からアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』1期の時代設定である1998年〜1999年の中間かつどこの時点にも属さない世界だと考えているとコメントしました。
登場キャラクターの史実のモデルは?
ゲーム及びアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘たちは、史実で活躍した同名の競走馬がモチーフになっています。ですが、『ウマ娘 シンデレラグレイ』で初登場したウマ娘については、実在した競走馬と同名のキャラクターはいません。
『ウマ娘 シンデレラグレイ』のストーリーは、史実のオグリキャップの物語が元ネタになっていることが明かされているので、ファンの間では『シンデレラグレイ』で初登場したウマ娘たちについてもモデルになった競走馬がいるのではないかと考察されています。
この項目ではオグリキャップ以外は『シンデレラグレイ』で初登場したオリジナルキャラクターについて、ネット上などでモデルだと噂されている競走馬や人物をまとめました。
オグリキャップ
オグリキャップは、実在する同名の競走馬をモデルにしたウマ娘です。競走馬のオグリキャップは、日本の競馬史上もっとも多くのファンに愛された名馬として知られています。1987年に笠松競馬場でデビューすると、12戦10勝の戦績を引っ提げて中央競馬に移籍しました。
中央でも数々のレースを制して、「怪物」「芦毛の怪物」と呼ばれ、競馬ブームを牽引する存在になります。1990年12月23日の引退レース(有馬記念)で1着を獲得すると、競馬場が大オグリコールに包まれました。
アニメ第1話では、オグリキャップが物置で寝ることになりますが、翌日にベルノライトと話した際に「とても快適だった」と言って「ハツラツ」というテロップが出るシーンがあります。競走馬のオグリキャップは、生まれた時には「ハツラツ」という名前だったため、アニメ第1話のテロップの「ハツラツ」は史実のオグリキャップの幼名が元ネタだと思われます。
ベルノライト
ベルノライトは『ウマ娘 シンデレラグレイ』で初登場したウマ娘で、モデルになった競走馬がいるかどうかは明かされていません。
似ている名前の競走馬としては、2014〜2016年に金沢競馬を中心に出走していたベルノトライがいますが、史実のオグリキャップが活躍していたのは1987年〜1990年のため、ベルノトライはベルノライトのモデルではないと思われます。
ファンの間では、オグリキャップと同時期に笠松競馬場のレースに出走していたツインビーがモデルなのではと考えられています。ベルノライトはアルファベットの「B」に似た髪飾りを2つしているため、「2つのB」→「ツインビー」なのではと推測しているようです。競走馬・ツインビーは1987年10月にデビューして、1990年10月に引退しました。
北原穣
公式には明かされていませんが、ファンの間ではウマ娘だけではくトレーナーなどの人間についてもモデルがいるのではと噂されています。北原については、元騎手の安藤勝己(あんどう かつみ)さんや現役騎手の武豊(たけ ゆたか)さんがモデルなのではないかと考えられているようです。
安藤さんは笠松所属として16歳でデビュー。笠松ではオグリキャップの主戦騎手を務めたほか、2003年に地方から初めて中央(JRA)に移籍した人物です。
武さんは1987年にデビューして、現在も騎手として活躍中です。オグリキャップの引退レースである1990年の有馬記念では、オグリキャップの騎手を務めました。
安藤さんや武さん以外にも、オグリキャップの初代馬主・小栗孝一(おぐり こういち)さん、笠松での調教師・鷲見昌勇(すみ まさお)さんなども北原のモデルなのではないかと推測されているほか、特定の人物だけでなく史実のオグリキャップに関わった複数の人物をモデルにしているのではないかと考えているファンもいます。
フジマサマーチ
フジマサマーチに関してもモデルになった競走馬は明かされていませんが、史実のオグリキャップと笠松時代にライバル関係だったマーチトウショウという競走馬がフジマサマーチのモデルなのではないかと考察しているファンが多くいます。
マーチトウショウは史実のオグリキャップと同日に笠松でデビュー。デビュー戦ではオグリキャップに勝って1着を獲得するなど、フジマサマーチとの共通点があります。
『ウマ娘 シンデレラグレイ』のオグリキャップがカサマツを離れることになった際、フジマサマーチは「走り続けて、お前よりも永くレース場(ここ)に立ってみせるよ」と伝えました。なお競走馬のマーチトウショウは、史実のオグリキャップが引退してからも1年以上レースに出走しました。
ノルンエース、ルディレモーノ、ミニーザレディ
第1話でオグリキャップに嫌がらせをしていたノルンエース、ルディレモーノ、ミニーザレディ。この3人のモデルとなった競走馬に関しては、漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』の漫画担当(作画)の久住太陽(くずみたいよう)氏が自身のSNSにて、「いじめっ子キャラ的なポジションだったので、モデルの競走馬はいません」と投稿しています。
『ウマ娘 シンデレラグレイ』は、タイトルに「シンデレラ」というワードが入っていて、内容も灰被りの少女・オグリキャップのシンデレラストーリーです。そのため、童話『シンデレラ』の意地悪な姉たちをモチーフにしたウマ娘なのではないかと考えているファンもいます。
第1話冒頭:モノクロのウマ娘
アニメ第1話冒頭では、モノクロで描かれたウマ娘たちがいました。男性4人に囲まれて手を挙げていたウマ娘は、競走馬・シンザンがモデルなのではないかと言われています。
シンザンは1964年に皐月賞、日本ダービー、菊花賞で勝利を飾って日本競馬史上2頭目の三冠馬となり、その翌年の1965年に有馬記念と天皇賞(秋)を制したことから五冠馬とも呼ばれていました。
第1話冒頭ではモノクロでレースも描かれていますが、このレース展開がシンザンが1着になった1965年有馬記念に似ているため、元ネタなのではないかと考察されています。史実では有馬記念の後に表彰式がおこなわれ、その際にシンザンの両側を男性たちも一緒に歩いていて、その構図が第1話冒頭でウマ娘や男性たちが手を挙げているシーンに似ているとSNSに投稿しているファンもいます。
第1話冒頭:レースを走るウマ娘
モノクロのウマ娘が映った後にも、ウマ娘のレースシーンがありました。マルゼンスキー、ミスターシービー、シンボリルドルフなどのウマ娘のレースシーンが描かれましたが、その3人のウマ娘が映る直前に描かれたレースシーンは1977年の有馬記念が元ネタなのではないかと考察しているファンもいます。
1977年の有馬記念は「流星の貴公子」と呼ばれた競走馬・テンポイントが勝利しました。そのため、アニメのレースシーンで先頭を走っていたウマ娘はテンポイントをモデルにしたのではないかと考えられています。
メリービューティー、ルナスワロー
メリービューティーとルナスワローは、第1話で北原が見ていた日本ダービーで走っていたウマ娘です。第4コーナーを回ったタイミングではルナスワローが先頭でしたが、最終的にはメリービューティーが勝利しました。
第1話の日本ダービーのレースは、史実のオグリキャップのデビュー年である1987年に開催された日本ダービーが元ネタなのではと噂されています。
史実の日本ダービー(1987年)では、メリーナイスが1着で、サニースワローが2着でした。名前も似ていることから、ウマ娘のメリービューティーはメリーナイスがモデル、ウマ娘のルナスワローはサニースワローをモデルにしたのではないかと言われています。
サウスヒロイン
サウスヒロインは、オグリキャップのデビュー戦の序盤で先頭を走っていたウマ娘です。最終的な順位は3着でした。
史実のオグリキャップは、笠松競馬場でおこなわれたサラ系3才新馬というレースでデビューして、そのレースの3着はノースヒーローという競走馬でした。
もしもサウスヒロインのモデルになったのが競走馬・ノースヒーローなのであれば、「ノース(北)」→「サウス(南)」、「ヒーロー」→「ヒロイン」と反対の言葉に変換してサウスヒロインという名前になったのではないでしょうか。
ウォークダンサー
ウォークダンサーはオグリキャップのデビュー戦にて、第3コーナーを曲がる際にオグリキャップとぶつかってしまったウマ娘です。
史実のオグリキャップのデビュー戦には、リードウォークという名前の一部が似ている競走馬がいたため、ウォークダンサーのモデルなのではないかと考えられています。
そのほかのデビュー戦のウマ娘たち
デビュー戦で走っていたウマ娘の名前は、コミックス1巻のおまけページにて記載されています。
フジマサマーチ、サウスヒロイン、ウォークダンサー以外でデビュー戦に出走したウマ娘は、セカイトーハー、ベーテシュガー、ジョイメーカー、ウルトライチバン、オーカンメーカー、ロイヤルチェリーです。
史実のオグリキャップのデビュー戦には、似た名前の競走馬が出走しているため、もしもそれぞれにモデルがいるのであれば以下のようになるのではないでしょうか。※ウマ娘→史実の競走馬の順に記載しています。
「セカイトーハー」→「ニッポンセイハー」
「ベーテシュガー」→「ベンテンシャトー」
「ジョイメーカー」→「フェートジョイ」
「ウルトライチバン」→「スーパーイチバン」
「オーカンメーカー」→「フェートオーカン」
「ロイヤルチェリー」→「チェリーロード」
ジュニアクラウンに出走したウマ娘たち
第15回ジュニアクラウンに出走したウマ娘たちについても、史実のオグリキャップが走ったジュニアクラウンに似た名前の競走馬がいました。もしも史実のジュニアクラウンで走った競走馬がモデルなのであれば、以下のようになるのではないでしょうか。※ウマ娘→史実の競走馬の順に記載し、上記の項目で記載したフジマサマーチ、オーカンメーカーは除外しています。
「テンザンターフ」→「ヤマニテンザン」
「エヴァーエヴァー」→「ミサトネバー」
「フジタカプラント」→「ウインプロント」
「ドラゴンメーカー」→「トミシノシェンロン」
「ジェットメーカー」→「フェートジェット」
「ナントウイチバン」→「ホクセイイチバン」
競走馬・ミサトネバーは、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する葛城ミサトの名前から連想して、作品の略称である『エヴァ』を使用して、エヴァーエヴァーというウマ娘の名前になったのではないでしょうか。
競走馬・トミシノシェンロンは、『ドラゴンボール』に登場する神龍(シェンロン)に連想して、ドラゴンメーカーというウマ娘の名前のモデルになったのかもしれません。
六平銀次郎
六平銀次郎(むさか ぎんじろう)は北原の叔父で、中央に移籍したオグリキャップのトレーナーを務めています。
六平のモデルになった人物がいるのかは、公式に明かされていません。史実のオグリキャップは笠松から中央に移籍した際、調教師の瀬戸口勉(せとぐち つとむ)さんの厩舎に入りました。そのため、六平のモデルになった人物は瀬戸口さんなのではないかと考えているファンがいます。
ブラッキーエール
オグリキャップのクラスメイトのウマ娘。ブラッキーエールがカサマツでのオグリキャップの成績について「田舎の砂遊びなんざノーカンだろ」と発言したところ、オグリキャップから「あの砂はダートといって砂遊びをする為のものじゃないんだ」と返されたことで、オグリキャップに敵意を持つようになりました。
オグリキャップの中央デビュー戦であるペガサスS(ステークス)に出走しますが、オグリキャップに敗れます。
史実のオグリキャップもペガサスSで走って1着になり、2着はラガーブラックという競走馬でした。ファンの間では史実のペガサスSの結果から、ラガーブラックがブラッキーエールのモデルなのではないかと考えられています。
ディクタストライカ
ディクタストライカは、オグリキャップのクラスメイトでフードをかぶった栗毛のウマ娘です。
ディクタストライカについてもモデルになった競走馬は明かされていませんが、ファンの間では牡馬のサッカーボーイなのではないかと考察されています。サッカーボーイの父親はディクタスという名前の馬なので、サッカーボーイの父親の名前とサッカーで得点を決める役割のストライカーという単語をもじって、ディクタストライカになったのではないでしょうか。
サッカーボーイの中央での獲得賞金は2億1940万円。サッカーボーイは、ナリタトップロードやキョウトシチーなど人気の競走馬の父親としても知られています。
メイクンツカサ
メイクンツカサは六平のチームに所属している先輩ウマ娘の1人で、活発な優等生です。
史実のオグリキャップは笠松から中央に移籍した際、調教師の瀬戸口さんの厩舎に入りました。ファンの間では瀬戸口さんの厩舎にいた競走馬のツカサパワーかメイショウサムソン、またはその2頭の特徴をモデルにしたのがメイクンツカサなのではないかと言われています。
クラフトユニヴァ
クラフトユニヴァは六平のチームに所属している先輩ウマ娘の1人で、髪の毛で目が隠れているのが特徴です。
ウマ娘のメイクンツカサと同様に、調教師の瀬戸口さんの厩舎にいたネオユニヴァースとラインクラフト、またはその2頭の特徴をモデルにしたのがクラフトユニヴァなのではないかと考えられています。なお、ネオユニヴァースは2000年生まれ、ラインクラフトは2002年生まれなので、史実のオグリキャップが活躍した後に生まれた競走馬です。
ちなみにネオユニヴァース、ラインクラフトとも、両者をモチーフとした同名ウマ娘がゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』に登場しています。
ゴッドハンニバル
ゴッドハンニバルは六平のチームに所属している先輩ウマ娘の1人で、ミステリアスでポンコツな一面があります。
ゴッドハンニバルに関しても、調教師の瀬戸口さんの厩舎にいたゴッドスピードかマルカハンニバル、あるいはその両方の競走馬がモデルなのではないかと考察されています。ゴッドスピードから「ゴッド」、マルカハンニバルから「ハンニバル」という文字を取って、ウマ娘のゴッドハンニバルの名前が決まったのかもしれません。
アキツテイオー
アキツテイオーはG1宝塚記念を走った先輩ウマ娘で、「マイルの帝王」と呼ばれています。宝塚記念では一番人気でしたが、タマモクロスに敗れました。
史実のタマモクロスが走った宝塚記念で2着になったのは、ニッポーテイオーでした。アキツテイオーと名前も似ているため、ニッポーテイオーが元ネタなのではないかと言われています。
小宮山勝美
小宮山勝美(こみやま まさみ)は、タマモクロスのトレーナーの女性です。
小宮山のモデルとなった人物がいるのかは明かされていませんが、史実のタマモクロスの調教師だった小原伊佐美(おばら いさみ)さんと名前が似ているため、小原さんが小宮山トレーナーのモデルなのではないかと考えているファンもいます。
ダイナムヒロイン
ダイナムヒロインは「舞台上のお嬢様」と呼ばれていて、G2を2勝、安田記念(G1)で2着を獲ったウマ娘です。戦績や名前などから、ネット上では競走馬のダイナアクトレスがウマ娘・ダイナムヒロインのモデルなのではないかと噂されています。
まとめ
オグリキャップやタマモクロスなどの『ウマ娘 プリティーダービー』にも登場しているウマ娘に関しては、同名の競走馬がモデルです。
しかしながら、『ウマ娘 シンデレラグレイ』で初登場したオリジナルキャラクターについては、ウマ娘のモデルになった競走馬やトレーナーのモデルになった人物がいるのかどうかは、明かされていません。ネット上では史実のオグリキャップが出場したレースなどから、モデルになった競走馬を予想している投稿が見られます。
(C)久住太陽・杉浦理史&Pita・伊藤隼之介/集英社・ウマ娘 シンデレラグレイ製作委員会
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