氷河期で少子化が加速?
そもそも、就職氷河期世代とはバブル崩壊後、1990~2000年代の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行っていた世代のことだ。非正規雇用や就職浪人などを経験し、正社員になれない人が少なくなかった。その影響は現在もあると、近藤氏は述べる。
「世代全体の平均年収が上の世代に追いつかないという特徴がある。意外と世代内の格差も拡大していて、平均的に下がっているのももちろんだが、下側がより下がるような形で下がっているため、非常に生活が苦しい人の割合が高いという特徴もある」
就職氷河期世代とその前の世代、さらに同世代内でも賃金格差が広がり、収入が低い人が多く見受けられているが、より就職が難しかった女性に関しては状況が変わっているようだ。
「女性で、せっかく正社員の仕事につけても出産退職しちゃう人がたくさんいる。その割合は若い世代ほど、どんどん減っていっている。子育て支援などがどんどん拡充してきたことや、社会規範も変化している。30代、40代になった時の状況を見てみると、バブル世代よりも氷河期世代の方が正社員でいる率が高かったり、年収が高かったりということが起きている」
また少子化についても、就職氷河期世代が子どもを産まなかったことが原因との声が上がっているようだが、それは偽りのようだ。
「団塊ジュニア世代は1970年~75年に生まれた人たちで、確かに氷河期の前半に重なっているが、この人たちが出生率最低で1回底を打っている。しかしそれよりもうちょっと若い80年生まれぐらいの人たち、ここで出生率が実は回復している。したがって氷河期で少子化加速したというのは、ちょっとおかしいかなと」
非正規雇用の人は「スキル不足」?
