東南アジアは中国側かアメリカ側、どちらについているのか?

主な国・地域への相互関税
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━━東南アジアの国々は中国側かアメリカ側、どちらについているのか?

「これはなかなか難しい。取材でもなかなか話してくれなかったが、何人かはホンネを打ち明けてくれた。それは『とにかく中国とアメリカの間で目立たないようにしていく』というもの。特にベトナムはアメリカとも中国とも戦争をしたことがある。ベトナムがどうやって自分たちの国を発展させていくか、今はどっちにつくのかではなく、両者の間でバランスを取っていくのがベトナムのやり方だ。中国に詳しいベトナムの元外交官は、習近平主席が来て大歓迎しているが『私たちがアメリカと完全に対抗するとことはない』と話していた」

━━改めて、東南アジアを歴訪した中国側の狙いは?

「今、米中関税協議の話になっているので、貿易・経済の話になりがちだが、それだけではない。今回、ベトナム、カンボジア、マレーシアの3カ国で100個ぐらいのプロジェクトにサインをしている。代表的なものはベトナムの北部に中国との輸送鉄道を作ること。マレーシアは中国と鉄道を一緒に作る話をしたり、海運も協力していく。中国からすると、これまでは日本、韓国、台湾、フィリピンなどに封じ込められているように見えていた。だが、東南アジアとの関係を強化することによって、(今までのルートを)通らなくても入れるようにして、どこにも頼らず、どんどん多角化を進めている」

━━東南アジア側のメリットは?

「ベトナムのある交通の専門家に話を聞いた。今ベトナム北部にはおいしいバナナがあるが高く売れず、国内で消費することがほとんど。だが、もし長い鉄道がヨーロッパまで繋がると、“青い状態”で収穫して輸送する2週間の間にちょうどおいしい状態で届けられるという。だから、これはやっぱり通したい。そういった部分もあり、インフラも含めて結びつきが強まっており、もう切っても切れない仲になってきているという」

━━日本はどのように振る舞うのが得策か?

「日本も非常に難しい立ち位置であることは間違いない。日本にとって、中国は最大の貿易国であり、アメリカは同盟国だ。バランスをとって付き合っていく必要がある。中国側も日本にアメリカにべったりついてほしくなく、アメリカも中国の方に行ってほしくはない。『もちろんアメリカの側についてくれるよな』といろいろな要求を突きつけてくるわけだ」
ABEMA倍速ニュース
 

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【映像】「気持ち悪い」 小学校隣接の公園で性的ビデオ撮影
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