石破総理が消費税減税に慎重な考えを述べる一方で、与野党からは消費税減税を求める声が上がっている。
そんな中、The HEADLINE編集長の石田健氏は、そもそも議論の前提として必要なものとして「与野党で合意された税に関するシミュレーション」をあげる。
「アメリカには『タックス・ファンデーション』のように、税に関してのシミュレーションを出すような機関がある。一方日本では、与野党の党首が独自のシミュレーションを出すなどしてみても、それが議論の出発点とはならない。例えば、『減税をすると、消費者の生活が楽になって、その分消費に回って経済が押し上げられて税収も上振れする』などの話をされるが、その数字に関して全員が合意した上でディスカッションしていない。だから、結局水掛け論になって、『国民の生活が苦しい』『いや、今減税をしたら将来世代にツケが…』みたいな話をずっとしている。最初に、まずみなさんでシミュレーションを出しましょうよと。財務省に紐づきの機関でもいいし、内閣府がもっと強いイニシアティブをとってもいいかもしれないが、同じ数字をもとに議論しないと全く進まないというところは非常に問題だ」
石田氏は、もう1つのポイントとして、「減税を、国民の暮らしを楽にするのか、それとも需要を喚起するのか、どういう視点でやるか」という点を挙げた。
「今まで、消費税をかける一方で法人税を引き下げるということで、なるべく企業に投資余力が向かうように日本の経済政策は進んできたが、内部留保が高まる割には消費者の需要があまり伸びていないため、問題だという議論がされてきた。消費税減税をやるというオプションはもちろんあるかもしれないが、今の議論を見ていると、生活が苦しいからという理由でこの案が議論のテーブルに乗っている。もし消費税を変えていくのであれば、5年、10年と経って苦しい状況を脱却した後にも『日本の経済をこういう形で伸ばしていくから、消費税を引き下げると需要が伸びていく』といったシナリオをセットで語らないと、短期的に1年、2年のためだけに大きな制度変更をするというのは、あまりにもコストが大きい。そういった視点を十分テーブルに出しているのかというところがもう1つの論点だ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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