経験者とその妻に聞く“せん妄”
【映像】“せん妄”に悩んだ男性、入院中の姿
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 2025年3月、9年にわたったある裁判が終わりを迎えた。乳がんの手術を終えた女性患者の胸をなめるなどしたとして、準強制わいせつで起訴された男性医師。女性患者が「せん妄」であったか否かが、争点のひとつだった。

【映像】“せん妄”に悩んだ男性、入院中の姿

 せん妄とは、ストレス・薬物・脳疾患など様々な影響による意識障害。入院患者の15〜50%に見られ、特に高齢者や集中治療室に入った患者の頻度が高いという。症状としては、自分がいる場所が分からなくなるなどの認知機能障害、急に怒りだす・泣きだすなどの気分の急激な変動、幻視・幻覚・妄想障害などがある。

 今回の裁判では、全身麻酔の影響で「女性がせん妄状態に陥り、幻覚を見た可能性がある」として、男性医師は無罪となった。医師は判決後の会見で、「医療の不確実性を前提に、医療者側も患者側も守られる仕組みづくりが必要だ」とした。

■「異世界転生した感じ」「温厚な夫が変わってしまったと」 経験者に聞く“せん妄” 
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