厚生年金の種類
【映像】「“サラリーマン妻”優遇」の指摘も
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 法案が先送りされた“年金制度改革”の議論。参院選を前に、“主婦年金”と呼ばれる「3号被保険者」の在り方が話題になっている。 

【映像】「“サラリーマン妻”優遇」の指摘も

 “主婦年金”とも呼ばれる第3号被保険者とはどういう人が対象になるのだろうか。

 サラリーマンや公務員の配偶者で、かつ年間収入が130万円未満の人がこの対象となる。被保険者は721万人ほどおり、女性が全体の99%を占めている。サラリーマンの配偶者がモデルのため、自営業者などの配偶者は対象外ということになる。

 今年は5年に一度の年金改革の節目となる年だ。“サラリーマン妻”優遇という指摘がされている主婦年金を含む、年金の仕組みの見直しは必要なのだろうか。経済アナリスト・森永康平氏は以下のように分析する。

「いろいろな側面から必要だと思う。まず、元々考え始めた時に比べて、今の年齢別の人口構成が全然違う。いわゆる少子高齢化がさらにひどくなっていて、さらに勤労世帯とかもろもろ見てみても、例えば私が子どもの頃はいわゆる専業主婦世帯ばかりだったが、最近は周りを見渡してみても共働き世代が多い実感もある上に、統計的にもそうなっている。したがって、制度がダメというよりは、制度を作った時と今の社会構造が全く変わってきているため、それに伴って本来は制度も柔軟に変化していかなければならない。ただ、変化をさせるということはどこかにひずみが出てしまう。自分の選挙を考えると手をつけたくないみたいな話になってしまうのではないか」

 では長い目で見たときに、仕組みの見直しに着手することは、国民にとって不利益になるのだろうか。

「不利益になることはないと思う。ただ、瞬間的に立場によって不利益になる人ももちろんいるだろうし、でも制度としては直していかなければならないという正論もある中で、どっちを取るかという、バランスを求められているんじゃないかと思う」(経済アナリスト・森永康平氏、以下同)

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