■「閉鎖的な教育現場に嫌気がさし辞退」

カズさん
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 52歳のカズさんは、新卒時に教員採用試験を受けたが不合格。その後、一般企業に勤めたが、夢を諦めきれず20年後に再受験した。しかし、2次試験で行われた他の受験生とのグループディスカッションで、一般社会との“大きなズレ”を感じたという。

「いじめをどう対処するかみたいなディスカッションして、自分は会社員なので曖昧にすることなく、程度によって警察に通報するとか、解決策とゴールみたいなものを設定しようとした。でも試験官は“そうだね”という雰囲気も感じなかった。社会人経験の良さを出したいと思ったが、出ないんじゃないかと思った」(カズさん)

 結果合格するも、閉鎖的な教育現場に嫌気がさし辞退した。いじめに対し、“警察に通報”と話した経緯について、「何がダメなのか分からないと、また同じことをする可能性がある。別に罰したいわけじゃなく、ちゃんと理解して、学びに繋げていかないといけないと思った」。

 試験官については、「3人ぐらいいて、おそらくどこかの校長先生と教育委員会の人が2人。その方々の顔も当然見えて、ポカーンとしてるというか、澄ました顔だったので、正直受け入れられてないと思った」と振り返る。

 その上で、「こういう考え方が自分は正しいとは思っているが、それが(ディスカッションで)でこうなら、現場に行っても同じじゃないか。もしくはもっとひどいんじゃないのかと思ってしまった」という。

 文化通訳でシンガーソングライターのネルソン・バビンコイ氏は、「これからは50歳、60歳、70歳からでも学校の先生になった方がいいと思う。
社会の知恵などは、AIが教えるから、倫理観や社会でのいじめは、人生経験豊かな方の方が、子供には説得力があって、伝えられるんじゃないか」とコメントした。

■教師不足をどう解消すべき?
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