オススメの減税案は…「所得減税」?

オススメの減税案は…「所得減税」?
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 では、馬渕氏が考える“理想の減税案”とはどのようなものだろうか。以下のように解説する。

「のちの税率を上げようとした時に政治的敗北があるのでは…という過去のトラウマで、どうしても消費税率の引き下げは躊躇する。理想論だが、柔軟性を持った消費税減税の設計が望ましい。例えば『実質賃金がプラス○%まで上昇したら減税を元に戻す』など、判断する指標に景気条項を盛り込むことで、政治の責任にせず税率を上げ下げできるようにしてはどうか」

 馬渕氏が述べた「所得減税」について、日本大学危機管理学部教授で東京科学大学特任教授の西田亮介氏も好ましいと述べる。

「所得減税の興味深い点というのは、すでに昨年実施しそれほど混乱はなかった。年金生活の人も公的年金控除があるが、基本的には所得税の対象になっている。なので、多くの人が減税の対象に含まれることだ。家族構成など配慮が必要な家庭があるにしても、まずは全体的に広く恩恵が行き渡るというようなことからも好ましいと考えている」(日本大学危機管理学部教授/東京科学大学特任教授・西田亮介氏)

 しかし西田氏は、「所得減税が与野党問わずまったくと言っていいほど、政治的な話題になっていないことが気になっている」と述べる。これを受け、政治ジャーナリストの青山和弘氏は以下のように主張する。

「所得減税は、基本的には所得のある人に対する減税にしかならないため、例えば非課税世帯だとか、食料品に困っているような貧困な人たちには恩恵がないこともあり、今回はほとんどどこも主張していない。一方で、社会保険料も下げるべきだと日本維新の会なども言っているが、これにも時間がかかる。なので、なかなかそれぞれの主張が噛み合わないという状況。有権者が、誰の主張がいいのかは見極めるべきだと思うが、所得税という話にはなっていない」(政治ジャーナリスト・青山和弘氏)

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