■求められる“ラストワンマイル”を届ける人員とサービス

人材不足の物流業界
拡大する

 官僚を辞めた後は制度アナリスト、ABEMA Primeではコメンテーターも務めていた宇佐美氏はバイク便大手・セルートの経営者から声をかけられ、物流事業に参入した。「セルートの高木社長には貧乏な時代、官僚時代に知り合って、こんなにおもしろい人はいないからいつか仕事がしたいと思っていた」。セルートから会社分割して設立したセルフィットは、ギグワーク(雇用契約を結ばず単発の仕事や短時間の仕事を請け負う働き方)と連携してラストワンマイル輸送の「DIAq(ダイヤク)」事業を展開するものだ。セルフィットでは販売会社から物流センター、さらに配送ハブまで届けられた商品を、最後の届け先まで運ぶところを担う。

 宇佐美氏は「物流センターから運ぶ範囲がものすごく広かったし、運ぶ量もどんどん増えていた。今まではデリバリーステーションのようなところに、ものすごい数の運送業者が列を作って並んでいたが(中継地点として)ガソリンスタンドと連携している」と、大量の荷物が集まった拠点からではなく、各地にあるガソリンスタンドにまで割り振り、そこからギグワークの配送員がエリアは狭いながらも効率的に運べることをメリットとしている。配送員の報酬は扱うものにより異なり、その幅は130円から600円ほどで「薬などだと1000円を超える」という。

■宅配便年間50億個のうち再配達が10%も
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