■宅配便の数は30年前の4倍・50億個

宅配便の取扱個数
拡大する

 インターネット通販の拡大などを理由に、宅配便の取扱数は飛躍的に増加している。1993年には12億4500万個だったのに対し30年後に2023年には4倍にあたる50億700万個にまで増加。大きな物流センターに集まったものを商品購入者の自宅などに運ぶにも相応の人員が必要だが、ここでも人員不足が続いている。矢野氏は「今、宅配便事業者はどんどん営業所を減らす傾向にある」と語ると、ガソリンスタンドなどを中継点にし、ギグワーク(雇用契約を結ばずに単発・短時間の仕事を請け負う働き方)と連携する事業には「分散化するのはいい」と期待する。

 地域が狭く人口が多い都市部では対応が比較的しやすいが、問題として大きいのは過疎が進む地方だ。「バスやタクシーなど、いろいろな手段を使わないと今までのやり方では難しくなっている」と述べると、パックンも「僕もそれが心配だ。アメリカの田舎でも結局、家まで誰が運んでいるかといえば郵便局。Amazonが途中まで持ってきて、最後は郵便局に任せている」と例をあげた。

■配達員増加には待遇改善が必須か
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