大地は18歳の新星で、2024年K-1甲子園 -60kg王者。デビューから2連勝中の注目株だ。対するゆいらは20歳。「Krush.163」でのデビュー戦は黒星に終わっており、今回は初勝利を目指しての出場となった。
試合は開始早々、衝撃の展開に。勢いよく前に出て猛打を繰り出す大地に対し、やや押され気味のゆいらもガードを固めつつ遠距離から反撃を試みる。そんな中、開始1分、大地がローから連打、さらに掴みからの膝蹴りを放つと、これがゆいらの急所に直撃。ゆいらは“くの字”に折れ、苦悶の表情で倒れ込んで試合が一時中断された。頭をマットに付けたまま悶絶する姿に「これ起きれないぞ…」「膝で金的はやばすぎる」とファンは心配そうに状況を見守る。
時間をかけてゆいらは復帰。ダメージの大きさを考慮したレフェリーは、大地にイエローカード(減点1)を提示した。再開後、両者は激しい打ち合いを展開するが、至近距離での掴みが再び発生し、レフェリーが注意。しかし大地は、連打からの掴みと膝蹴りを繰り返し、さらに減点1を追加されることに。
”K-1ルールでは掴みは反則”と徹底されている中、試合前は「これで勝ったら後楽園の本戦に」と期待していたKrushプロデューサーの宮田充も、「ヘタですよ、さっき減点貰ったのに。気持ちばかり焦っている」と厳しい指摘。
厳しい意見だが、さらに減点されると試合が終わってしまうとのプロデューサー視点の苦言の一方で、ABEMAの解説・卜部弘嵩は「KOしなきゃという使命感に追われてる」「冷静さ欠いていた」と、大地の焦る気持ちを代弁。ラウンド自体は、大地が終始プレッシャーをかけて主導権を握ったが、減点2という厳しい状況に追い込まれた。
第2ラウンド、大地は戦術を切り替え、豪快なハイキックやミドルからのパンチ連打で初手から猛攻を仕掛ける。ゆいらも強打で応戦し、バチバチの打撃戦を展開。卜部は「セコンドの指示で戦い方が変わった」と指摘し、落ち着きを取り戻した大地の戦いぶりを評価。試合は後半にかけて、大地のローキックがゆいらの左足を的確にとらえ、徐々に効き始める。ゆいらの動きが鈍り、連打のローキックでバランスを崩してダウン。さらに追い打ちのストレートでロープに倒れ込み、レフェリーが試合をストップ。大地のKO勝利が宣告された。ゴングと同時にリングにグニャリと倒れ込む壮絶なエンディングに、ファンからは「ローが効いた」「ケツキックで決めた」との声が。一方では「最後のは良くないね」「追撃はダメだろ」「審判が止めるまで打つだろ」「止める前なら反則ではない」「ワイルドなスタイルだ」と賛否が分かれた。
宮田プロデューサーは、「1ラウンドはパンチ一辺倒だったのが、2ラウンドは蹴っていったのがそのままハマった」と戦術面を評価しつつも、「実質3発。倒れ際にオマケに蹴ったのと、パンチ入れたのは良くなかった。あれはダウンを宣告した後だから、ジムさんにも注意をしようと思う。今後、反則を取られて逆に負ける可能性があるから。これから強くなっていく選手なんですけど、あのオマケは余計だった」と苦言を呈しつつ、さらなる飛躍に期待を込めた。
劇的な展開で3連勝を果たした大地はマイクを手に「今回の試合は組んでの減点が多かったので、次からは改善して頑張ります」と即座に反省を口にした。 実況の本田将一郎アナウンサーも「有望株、18歳の選手ですから…若さが出た試合」と、波乱含みのKO勝利を総括した。
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