それ以上にドラマチックだったのが2巡目だ。永瀬九段が1巡目に増田八段を指名しなかったことで起きた重複。2022年に行われた第5回大会でも佐藤九段は1巡目に増田八段を指名。永瀬九段と奪い合ったが、惜しくもくじ引きで敗れた過去がある。そのリベンジともいえるくじ引きで今回は見事にゲット。「僕自身、チーム永瀬との対戦が多く、その中で増田さんとの対局も多くて本当に勝ったり負けたり。チームメンバーになってくれたら心強いと思っていました」。自分が認める強者だからこそ、仲間になったことは頼もしいことこの上ない。
佐藤九段と広瀬八段はタイトル経験があり、増田八段も棋王戦でタイトル初挑戦。順位戦でも初のA級でしっかり勝ち越した。実力・実績を兼ね備えた3人組という意味では、過去のチームを振り返っても最強クラスといっても過言ではない。「このメンバーを本当に揃えられて、頼もしく思っています」。その言葉にも力が宿った。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


