■「男系の血筋をひかない者が天皇になると、認める人と認めない人に分かれる」

竹田恒泰氏
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 明治天皇の玄孫(やしゃご)であり、皇室問題に詳しい竹田恒泰氏は、「女系天皇は前例がないため、前例がある形で何かできないかと、国会で議論されている」と説明する。主な論点は「女性皇族が皇室の地位に残る」と「旧皇族から養子を取ることで、今ある宮家を残す」ことで、後者は「歴史的にそうしてきた」のだという。

 長きにわたる皇室の歴史で「皇統が途切れそうになったことは、3、4回ある」そうだ。「その時には、傍系の宮家、つまり歴代天皇の男系の血をひいている者から、天皇を擁立した。歴史を踏み外さなければ、正統性が確保できる」。

 加えて、「もし男系の血筋をひかない者が天皇になると、認める人と認めない人に分かれる」と危惧する。「正統性が危ぶまれると、『こんなの天皇として認めない』という人が一定数出る。憲法第1条に『天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴』と書いてあるのに、『認めない』という人が何割も出ると問題だ」。だからこそ、「歴史にのっとって皇位継承できるように、皇室典範を微修正して、養子を旧宮家の男系男子に限って取れるようにしたらどうかとの案だ。法的にも歴史的にも、正統性が揺らがない天皇を確保できる」と語る。

■「女性・女系も含めた選択肢を次世代に渡すべき」
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