■備蓄米のスタックはJAに原因?
これまでの備蓄米は、オークション形式の競争入札で3回出品され、そのほとんどをJA全農が落札。JAグループを含む卸業者を通して小売店に並んでいたが、時間もお金もかかっていたという。今回の随意契約では、小売店に直接売り渡しをすることで金額を抑えながらスピードアップも図り、6月初旬に店頭に並ぶということだ。
ただ、「米流通と在庫」の去年との比較を見てみると、生産段階は在庫+9万t(生産量+18万t、出荷+14万t、消費・無償譲渡−5万t)、集荷段階は在庫+3万t、(JA系統−31万t、JA外/直販+44万t)、末端への流通は在庫+7万t。在庫合計は去年比で「+19万t」も上回っていた。
そんな中、備蓄米のスタックはJAに原因があったのか。進藤議員は「その指摘は当たらない。集荷段階でJAには31万t集まっておらず、備蓄米が補給されることで流れていくと思うだろう。卸売段階では4万トンの在庫があるわけだが、ここでは精米や袋詰めなどが発生し、コストがどんどん上がっていく。すでに高い米を持っている卸は、安い備蓄米が来ればブレンドする。卸が意図的に止めているという話ではなく、時間がかかっている」との見方を示す。
一方、大塚氏は「卸のルートが全然違う」と指摘。「JAは生産者から買い、コープを通じて売っているが、これは全体の3〜4割。6割の民間は、コンビニやファミレスなどと契約している数量を出す必要があって、余った分をスーパーに出している。その順番が違うから、批判はできない」とした。
■JAが価格決定権を持たない構造に問題?
