コストについても、後発であることの利点も語る。「トップを走るというのは結構大変で、莫大な研究費をリソースとして使えるとしても、必ず新しいパラダイムを作らなければいけない。それは本当に大変なこと。例えばOpenAIも新しいパラダイムのために莫大なコストをかけている。一方で後続のLLM(大規模言語モデル)のプレーヤーは、OpenAIよりはるかに資金が少ないのに迫ってきている。我々も確かにテスラより資金は少ないが、テスラが何をやっているかは本当によく理解して進んでいる。追いかけるだけならコストはすごく安くできる」。業界のトップは新たなものを生み出すために多大な時間とコストを費やす必要があるが、後続は方向性を見失わずに追いかけることで、より低コストで急成長が可能になる。
山本氏は、既に自動車メーカー各社から高い評価を得ているという感触がある。資金的援助が受けられるようになれば、さらに開発が進む。チューリングとして、直近の目標としているのが「TOKYO30」というプロジェクトだ。「我々は年内までに東京の道を30分、人間のハンドル介入なしで自動運転できるという目標を定めている」。将棋界を制した山本氏が、今後も自動運転の世界でのトップを目指す。
(『ABEMA Prime』より)
