専門家に聞いた…双方のメリットは?「TOB」とは?

NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収 子会社化へ
拡大する

 第一生命経済研究所経済調査部 首席エコノミストの永濱利廣氏は、双方のメリットについて以下のように分析する。

「まずドコモにとっては、これまでなかった総合的な金融サービスをスマホでできるようになる。かつ、銀行の口座と紐付けることにより顧客を囲い込めば、携帯電話の乗り換えリスクも少なくなる。さらに、いわゆるドコモの“ポイント経済圏”も囲い込める」(第一生命経済研究所経済調査部 首席エコノミストの永濱利廣氏、以下同)

「住信SBIネット銀行側にとっては、ドコモが持つ9000万契約が入ってくることで顧客層の開拓ができる。それがいろいろな金融サービスと結びつき、メインバンク化していけば、非常に大きなメリットが期待されると思う」

 では今回ドコモが行う「TOB」とは何なのか。永濱氏は「ある企業の株を、不特定多数の株主から市場の外で期間や価格、買い付け株数を公表して一気に買い集めること」と解説する。

「敵対的TOBは、買収される側の企業の経営が同意していないのに、無理やり押し切ってTOBをすること。友好的TOBは、買収対象となる企業の経営陣の同意や賛同を得て行われること。ホワイトナイトは、敵対的買収を仕掛けられた企業を救済するために、友好的な第三者が現れて株を大量に購入することにより買収を阻止すること」

 また今回の買収の条件としてNTTがSBIホールディングスの第三者割当増資を引き受け、約1100億円を出資する。これは「SBIホールディングスがNTTグループと今後も友好な関係を築いていきたいという意思表示の現れ。北尾吉孝会長兼社長としても何としてもビジネスチャンス組み入れたかった」と永濱氏は述べた。

(『ABEMAヒルズ』より)

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