■顔をイジられたことが恐怖心に 「マスクと心中する気持ち」
島田さん(22歳・男性)は、コロナ禍に学生時代を過ごし、就職後もマスクが外せなくなってしまった。「中学時代から顔にコンプレックスがあったが、最初は『マスクがあったほうが楽』くらいの感覚だった。高校でコロナ禍が訪れて、同じタイミングで部活の先輩や同級生に顔をイジられ、その恐怖心から『笑う時や話す時に、口の形が変なのでは』と思い込むようになり、マスクを外せない生活になった」。
気心が知れていても、見知らぬ人でも、素顔は見られたくない。「見せられるのは家族ぐらい。同僚と食事しても、マスクを一瞬外すだけ。最初は『食事中にマスク外さないの?』と言われたが、『自分の顔、あんまり好きじゃない』と言って逃げた」と振り返る。
着用することにより「一枚隔たりがある」安心感を覚える。そのため、「笑う」「話す」のも苦手だが、マスクがあると自分らしく振る舞えると説明する。「もう一生ずっと。マスクと心中する気持ちだ」。
■仕事中もマスク「外すぐらいだったら辞めます」 支障はない?
