■「中国は一枚岩の姿勢を見せないといけない」
強硬な姿勢を見せる中国だが、増田氏によると「中国側の解釈も、必ずしも1つではない」のだそうだ。「周辺で行われる外国の軍事活動を拒否したいが、中国自身は海軍力を強め、より遠くへ出ていきたい。どちらの立場で国際法を解釈するかだ」。
そこにはジレンマがあり、「アメリカは『航行の自由だ』との解釈のもと、世界中を動き回っている。かつて中国は遠くへ出られなかったため、拒否する姿勢を取っていた。しかし、そうすると、今度は軍事的に出られなくなる。そこの解釈が、中国国内で固まっていない」と説く。
中国の態度としては、「公的機関である外交部が言えば、一枚岩の姿勢を見せないといけない。『軍事的に価値がある』『資源がある』といった、具体的なメリットから解釈を作ってきた。外交部はそれを主導する立場にないため、『まとまった内容はこうだ』と再確認しただけだ」と考察する。
沖ノ鳥島だけでなく、最近では尖閣諸島などでも、中国が海上行動を行っている。「尖閣周辺については、中国は何もできていなかった。日本が国有化してから、船を大量投入して、性能を上げ、ヘリコプターを積んだ。中国は『ゼロから始めて日本と戦っている』という現状を認めさせたい」。
両国の関係性を見ると、「日本は失う立場だが、元々なにもない中国はプラスだ。ここ2年間、中国では海警局の内規が整備されて、外国船を拿捕(だほ)できる制度が整った。『あの手も打てる、この手も打てる』と、大量のカードを見せているのが現状だ」とした。
(『ABEMA Prime』より)
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