連行された当時を「チャイムが鳴り、居留守を使っていたが、ドアが開いた。『家賃の話』と言われ、『家賃なら今払う。本当にそういう人なのか』と聞くと、『福祉の人間だ。話を聞いてもらうだけだ』と連れ出されて、車に乗せられた」と振り返る。引き出し屋が動いたのは、「私と親の主治医が一緒で、母に主治医があっせんした」と聞いたという。

 そして、施設仲間と脱走した。「ほとんどの人は不満を持って生活していた。脱走は日常茶飯事だったが、連れ戻されてケガをしている人も珍しくなかった。私の場合は4カ月使って、逃げた後の暮らしのベースを確保してから出ていった」。

■引き出し屋の実態とは 記者「人権侵害行為が支援の名のもとに行われている」
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