【写真・画像】「試合が中止になっていたかもしれない」米ロス“過激デモ”がドジャース戦に影響も?“州兵”って何? 移民の心中は? 元ANNロサンゼルス支局長が解説 1枚目
【映像】デモのすぐ近く!? ドジャースタジアムの位置関係(地図)
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 アメリカ・ロサンゼルスで不法移民の取り締まりに反対するデモは3日目を迎えた。デモ隊は市の中心部で高速道路の封鎖を始めるなど、治安当局との衝突が拡大している。

【映像】デモのすぐ近く!? ドジャースタジアムの位置関係(地図)

 デモの過激化を受け、トランプ大統領は州兵2000人の派遣を決め、8日朝、一部が到着しロサンゼルス中心部に配置された。ただ、州兵の派遣についてはカリフォルニア州の知事は「事態を悪化させる」と反対していて、地元知事が反対するなか州兵が投入される異例の事態となっている。

 ロサンゼルスで今何が起きているのか? 元ANNロサンゼルス支局長 のテレビ朝日外報部・斉木文武デスクに聞いた。

━━ロサンゼルスのデモ暴徒化はアメリカでどのように捉えられているのか?

「トランプ大統領を支持するかどうかによって、大きく2つに分かれている。トランプ大統領を支持している人たちからすると、不法移民の人たち、その中の麻薬の密売人やギャングのメンバーのような治安を乱す人たちを連邦の移民局が摘発して捕まえて、国の外へ出すことでアメリカの治安を守る。それに対して取り締まられた側が一種“逆ギレ”をして暴動を起こして抵抗している、という見方をする」

「一方、トランプ大統領に反対する人たちからすると、移民局の取り締まりは人権や法的な手続きをしっかり踏んでいない。主にヒスパニック系住民の人権を無視して、移民をかなり無理筋な摘発をして、その結果住民の人たちの反発を買ってこのような暴動が起きている。だから、トランプ大統領が自分で引き起こして、それに自分で薪をくべて事を大きくしている。このニュースの見方は、2つに分かれていて相容れないものがあると思う」

━━移民とロサンゼルスにはどのような背景があったのか?

「ロサンゼルスは“聖域都市”と言われ、不法移民の人たちに寛容な土地柄だ。様々な法律があって、不法移民の人を摘発しても強制送還が事実上できない、あるいは捕まえても保釈されたりする。そうした移民の人たちが低賃金の労働をすることでロサンゼルスの社会を支えており、半分ほどがヒスパニック系で、多くの家族に滞在資格が不安定な人がいる。例えばちゃんと滞在資格を持っているのは父と母だけで、おじさんとか親戚とか、そういう人たちの中には、その都度滞在資格を更新するなど不安定な人がいる。そうした不安定な家族を抱える移民から支持を得ているため、市長としてもあまり弾圧的なことをしたくないのが本音だろう」

「州兵はその名の通り軍隊」
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