「州兵はその名の通り軍隊」
━━トランプ政権に代わったことで移民政策はどう変わったのか？
「トランプ政権に代わってから、どういう基準で強制送還されるのか明確ではないところがある。『犯歴のある人』と言っているがどのくらい軽微な犯罪なら強制送還の対象になるのか。例えば、駐車違反、スピード違反などの犯罪歴がある人は移民じゃなくてもたくさんいる。そういう中で、市民権を持たない人が『もしかして自分も対象なのでは』と本当に心配している状態だ。実際、これまで移民の中に在留資格があるのに間違ってエルサルバドルに送還されてしまった人もいる。ロサンゼルスとかアメリカで今働いている日本人も含めて、多かれ少なかれ一体どこでどんなことをしたらアメリカにいられなくなるのかという不安を抱えながら生活している。そんな中で起きたことなので、不満や不安が背景にあって、このような爆発に繋がっているのではないか」
━━州兵の派遣は驚くべきことなのか？
「州兵はその名の通り軍隊であり、軍隊を一般市民に対して治安維持のために投入するのは、ある種“一線を超えた行為”でもある。州兵は普段は州知事の指揮下にあって、アメリカ軍の予備の兵力としての側面も持っている。そのため、アフガニスタンやイラクにも派遣されて実際に現地でも戦闘する。そういった側面に加えて州の治安の維持や災害時の救助・救援を担ったりもする。普段は州の指揮下にあるが“国の存亡”に関わるような事態が起きた時は、大統領が命令をして、大統領の指揮下に入れることができ、これを『連邦化する』という。今回、州知事は全く同意しておらず、頭越しに州兵を大統領が連邦化して命令してロサンゼルスに派遣するという非常に稀なケースで、60年ぶりだとアメリカメディアでは言われている」
「幹線道路のすぐ近くにはドジャースタジアムがある」
