「シリンジ法」で妊娠…周囲との関係に変化も
子どもは「シリンジ法」という性行為を伴わない方法で授かった。
「いざ子どもを持ってみると可愛いし、懐いてくれているところが、自分の子どもがいてよかったなと思う」(ミナトさん)
「どうやって接したらいいんだろうと、子どもが生まれた時は思っていたが、成長を日々見られるのはすごくいいことだなと思うし、子どもがいることでつながりができたり、コミュニティが広がったりするのがすごく楽しい」(サツキさん)
料理はサツキさん、寝かしつけとお風呂はミナトさんが担当。保育園の送り迎えや休日の家事なども、互いの都合に応じて柔軟に分担している。
2人は「友情結婚」というスタイルをあえて両親には伝えていない。「マッチングアプリで出会った」と説明し、通常の結婚として報告している。
結婚というかたちにこだわった背景には、親の期待に応えたいという思いも大きかったという。
「両親は僕に結婚してほしいという気持ちがあり、特に母は20代の頃からずっと言っていた。父は今まで僕の人生に口出しをしてこなかったが、ある時ついに『孫の顔が見たい』と言った。両親が言うのであれば結婚しないとまずいと思って」(ミナトさん)
子どもが誕生したことで、親との関係にも少しずつ変化が現れた。かつては母親との折り合いがあまり良くなかったというサツキさんは、「結婚をして子どもが生まれて、“ようやく一人前”ではないが、こちらの生活にはうるさく言ってこなくなったことが大きい。もちろん孫の顔を生きているうちに見せられたことはすごく良かったと思うし、自分と母親の関係が、前ほど険悪ではなくなったことは良かった」と話している。
性的指向に合う別のパートナーは…?
