■視察側の問題意識「今まで散々会話してきた」 共生策は?

 今回の視察の目的は、「決して外国人排斥が目的ではなく、共生策を探るため」のもの。“好事例”として中国人の多い地域も視察していた。

日本クルド文化協会「クルド人と日本人の共生」
拡大する

 そんな中、案内役を務めた奥富精一川口市議は、「芝園団地なんかは15年かかってようやく共生の形が見えてきたが、見に行ったヤードなどは今でもトラブルがある。そういった現状を見て、どうしていくのかという糧にしていきたい」とコメント。

 一方で、「2005年から散々会話してきて、今更ボールを投げる対話をする段階ではないだろうと。今までチャンネルを開いて、シンポジウムを開いたりゴミ捨ても一緒にやったり、彼らの支援をしてきた。しかし、何回改善をお願いしてもできなかった。最後には町中で暴走行為や無免許・無保険での事故を何件も起こしている。共生というのは、法治国家である日本にいる資格のある人たちとの話。川口の問題は、そうではない人が主人公になっている」との問題意識も投げかける。

 高木県議は、「メグミさんの夫は配偶者ビザという形で、合法な人だと理解しているが、そうではないケースも多くある。合法に在留している外国人に対しての共生を何より大切に思っているし、少なくとも私や奥富さんは排外主義ではない。芝園団地でも、どうすれば共生できるのか、自治会長と会ったりしながら模索をしてきた」との経緯を明かし、「クルド人問題を扱う時はいつも“不法就労”クルド人と前に付けてきた」と主張した。

 メグミさんは「SNSなどの投稿を見ていると、一部のクルド人に被害を受けている方が市内にいるのも事実。その点はクルド人側がしっかりと日本のそのルール・マナーを受ける必要はある。ただ、“クルド人”と出るだけでクローズアップされ、一部の事件やトラブルがヘイトや差別に用いられている現状もあり、“クルド人問題”と一括りにされるのは疑問に思う」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(5枚)