「減税政策よりも…」は政府の鉄の意志?
今回の骨太の方針に「減税政策よりも賃上げ政策こそが成長戦略の要」と書かれていることについて、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介氏は「減税政策よりも」とわざわざ書く必要があったのかと疑問を呈した。
「賃上げしてほしいのはみんな同感だろうが、あえて“減税政策よりも”と強調してくるところに政府の鉄の意志を感じた」
また、13日に石破総理が発表した、すべての国民に一律に2万円を給付し、子どもや低所得者にはさらに2万円を上乗せする方針についても、神庭氏は以下のように指摘した。
「選挙の前になるとお金を配る話が出てくる。私は“選挙前お金配り禁止法”を作ってほしい。全国民に給付するが、なかでも住民税非課税世帯には手厚くするという。住民税非課税世帯は高齢者の方が7割超を占める。一方で、日本の家計の金融資産の6割を高齢者が保有しているというデータもある。非課税世帯はフロー(収入)だけに着目して決められており、ストック(資産)をどんなにたくさん持っていても関係ない。現役世代が頑張って稼いだお金を、余裕のある高齢者も含む非課税世帯に手厚く配分すると、ますます世代間格差が広がってしまう」
また、減税と給付の違いについてエコノミストの星野氏は「減税を一度やってしまうとだらだらと続いてしまうという議論があるが、給付も毎年のようにやっている。やめられないという意味では給付もそんなに変わらないのでは」と指摘。神庭氏もこれに同意。
「ほとんど麻薬のようなもので、選挙の度に給付、給付と言っている。減税と何が違うのか。有権者がありがたみを実感しやすい、という点はあるかも知れない。給与明細に目を通して、税金や社会保険料をどれだけ取られているかチェックしている人は恐らくあまりいない。給付金が振り込まれてくると、わかりやすく“お金もらった感”が出る。政治家の立場から見ると、“お金配ってやったぞ感”を出して恩を着せられるわけだ」
「現役世代の本音としては、税金を取って配り直すくらいなら、最初から取る額を減らしてくれよと思うが、1回集めて配り直すことによって利権やパワーが発生する。だからこそ意地でも減税せず、1回集めたものを配り直すことにこだわっているのだろう。有権者は給付金を無闇にありがたがるのではなく、『それってウチらの税金ですよね?』と冷静にチェックしてほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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