13日、政府が発表した研究力強化のための政策「J-RISE Initiative」。海外のトップレベルの研究者を日本に呼び込むため、研究環境の整備や人事・給与面など処遇の改革に加え、研究者に帯同する家族の生活や教育環境の充実なども検討されている。
一方SNSでは、現在日本にいる研究者らの処遇の改善を求める声も上がっている。この件について城内担当大臣は次のように述べた。
「これは国際頭脳循環ということで、しっかりとJ-RISE Initiativeに取り組むと同時に、これまでの日本人の国内の研究者の方々に対する対応については当然、これまで以上にしっかりと対応していくということを考えているので、国際頭脳循環に力を移すということでは全くない」(城内担当大臣)
J-RISE Initiativeは、日本が研究者にとって世界で最も魅力的な国となることを目指し、関係府省が一丸となって総額1000億円の施策を展開する。
海外研究者の招聘は必要なのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターで慶応義塾大学教授、教育経済学者の中室牧子氏は次のような見解を示す。
「間違いなく必要。エポックメイキングな研究は、異分野の組み合わせ等によって起きることが知られている。これまでは海外の研究者と共同で研究するとなると時差の問題などもあったが、日本に来てくれればよりコミュニケーションも取りやすくなる」
「しかし、海外の研究者に日本に来てもらうためには、お金だけで解決できない問題も多い。研究者の中に英語を話せない人は少なくても、事務職員に英語が話せない人が結構いる。また、実際に生活するとなると、日本は飲食店や小売店などで英語が話せる人は多くなく、生活面で困る。特に不動産の取得や賃貸契約は、外国人の場合、非常に難しい」
J-RISE Initiativeでは、「日本で研究する優位性」がいくつか挙げられているが、研究環境だけではなく「安全で快適な生活環境」も大事だと中室氏は述べる。
「単純に研究費をきちんと手当をするだけではなく、彼らの生活面をその大学全体、あるいはその地域全体で支えることができるかも問われている」
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