GLORYとRISE、2つのプロモーションによる「LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT」の一回戦。GLORY5位につける上位ランカーのカッファに対するは同階級6位で仕上がり上々の37歳ベテランのサッコは、ムエタイ、キックで数々のタイトル歴を誇る立ち技のレジェンド。円熟味のある海外勢対決は1ラウンド残り10秒、“疑惑?”のダウンシーンで波乱の幕開けとなった。

 序盤はサッコが長身を活かし距離を測る。遠距離からジャブと鞭のようなローキックを連発。カッファも負けじと前に出るが、180センチの長身から振り下ろすサウスポー、サッコのパンチに苦戦が続く。

 そんな攻防のなか、ラウンド終了残り10秒を切ったところで問題のシーンが起きる。左ミドル2発を受けたカッファが踏み込んだところに、サッコのコンパクトな左ストレートがカウンター気味にズドン。この一撃が的確に顔面を捉えると、カッファは後方に崩れて膝をついてダウン。しかしカッファは立ち上がるなりカウントを数えるレフェリーの手を何度も振り払って「ダウンじゃねぇだろ!」とばかりに激しく抗議する。

 レフェリーの裁定に不満爆発の猛抗議。異例のリアクションにレフェリーもカッファを突き飛ばすなど毅然と応戦。「いま、レフェリー押した?」「突き飛ばしたけどええの?」と思わぬ事態にファンも騒然。一方では「イラついてる」「すげえ怒ってるw」「認めろや」「効いてる」「あれはダウンだろ」と冷ややかな声も聞かれた。

 このシーンに解説は「ダウンですね。これは完全にボボ・サッコの距離なんで左ミドル、左ストレートが当たるサウスポーの距離感」と述べた。

 2ラウンドに入っても、カッファはご機嫌斜めなファイトが続く。ローキックの攻防では「今の関節蹴りだ」とレフェリーにアピールするなど、チクリながら戦うスタイル。終始荒れた態度にファンから「熱くなってるな」「やんちゃすぎる」「イライラし過ぎだろ」と物申すコメントが殺到。これらのクレームは全てスルーされ、さらにカッファの焦りを誘い、サッコの冷静さを際立たせた。

 至近距離で積極的な攻撃を見せるカッファだが、サッコの左全振りの絶妙な距離感と円熟のディフェンスに苦戦。3ラウンド、カッファはKO狙いで強引に攻めたが、サッコは足を使いプレッシャーを回避する見事なコントロール。判定でジャッジ3人がいずれも29-27でサッコを支持した。

 結果的にサッコの技術に屈する形となったカッファだが、やはり判定結果は1ラウンドのダウンが響いた形に。アグレッシブさで存在感を示したものの、表情からは納得のいかない様子がにじみ、退場時も怒りを飲み込むような表情が印象的だった。

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