加藤はRISEバンタム級3位、トップ戦線で活躍する中堅が自ら志願して第1試合に登場した。対する礼司は、JAPAN CUP KICKバンタム級王者で勢いに乗る17歳。スピードとテクニックで注目を集める若手ホープだ。
試合は序盤から加藤が持ち前の強いプレッシャーで礼司を圧倒する展開に。礼司もローキックやクリンチで対抗するが加藤のカーフキックとパンチの手数が上回る。終盤には加藤の強振する右が顔面を捉え、コーナーに串刺しで“ストン”と一瞬落ちる場面もあり、スタンディングダウン寸前まで追い詰めた。
2ラウンド、勢いに乗る加藤はさらにギアを上げる。礼司もハイキックからパンチ連打と反撃に出るが、加藤が臆することなくプレッシャーをかけ続けコーナーに礼司を追い込む。相手の距離を潰し、再びコーナーでフルスイングのパンチ、最後は左フックが礼司のテンプル付近を捉え“ぐにゃり”とコーナーにもたれかかりながら力なく人形のようにマットに崩れ落ちた。
実況の小出アキラ・アナウンサーも「終わらせた…! 完璧に股関節に力を溜めてパーンと左フック一発!」と絶叫する会心の一撃。ファンも「狙い撃ちだ」「失神」「完璧なカウンター」「芸術的」「ゴム人形のようなぐにゃり」と思わず唸る一撃決着。
小出アナの「ここまで綺麗に入るかという、素晴らしい左フック」という言葉どおり、礼司はセコンドの呼びかけには応じたものの、コーナー脇でしばらく立ちあがることができず。衝撃の失神KO決着となった。
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