■不妊治療に5年で500万円「外からの刺激でこれ以上自分の心を傷つけたくない」
アヤセさん(31歳女性)は、25歳で「妊活」を始め、当初は「若いし正直すぐできる」と思っていた。しかし、1年経っても妊娠せず、医師からは「不妊治療したほうがいい」。そして様々な治療に挑戦して6年目に入り、かかった費用は約500万円に。「まさか自分が……。妊活前は妊娠する事を簡単に考えていた」と語る。
これまでの治療を振り返り、「何度も陰性の結果が出て、涙を流してきた。こんなに妊娠が難しいのかと痛感している。初めの半年間は、医師によるタイミング法を行い、その後人工授精を7回。それでも結果が出なかったため、体外受精を現在までに7回行っている」と明かす。
Fineの調べによると、8割が「不妊治療」を周囲に話しづらいそうだ。劣等感で「話すのが怖い、恥ずかしい」、言うと結果も報告しないといけない(結果を聞かれる)、逆に周囲に変な気を遣わせてしまう(腫れ物扱い)、親族が心配する(心配される、気を遣われることが重荷)などが理由だ。
アヤセさんも、「自分が『他の女性より劣っている』と劣等感を抱えてしまう」「周囲の声に心が病む」「『SNS』投稿などに悶々とした思いを抱える(心の狭さに自己嫌悪も)」といった悩みを抱えている。
しかし、相談できる相手も少ない。「センシティブな内容で、職場に同じような経験をしている人がいないため、治療のことを話しても理解してもらえないと思ってしまう。また、カミングアウトして、相手からの言葉で傷つくのが怖い。ただでさえ治療でストレスを抱えているのに、これ以上傷つきたくないと保身に走る」。その上で、「『あした移植するんだ』『頑張ってね』と励まし合える仲間ができるといい」と願っている。
■悩みは出産後も「周囲は簡単に2人目を求める」
