183センチの長身&筋骨隆々のジェイドに対して、155センチと最も小さな選手の一人であるロクサーヌ。真っ向勝負は明らかに不利な状況。ゴング開始時のロックアップも拒否し、場外へとスカすロクサーヌに「おい、やらないのか?」と挑発気味のジェイド。勝負するかに見せかけてロープを跨ぎ、「いや、やらないわ(笑)」と焦らし戦法に、会場からもブーイング。
コンタクトを頑なに避ける姿にファンから「そりゃ逃げるわ」「正面から試合できないよ」と理解ある声も聞こえるが、逃げ腰のロクサーヌがここで”意外“な手段に出る。
距離をとりながらサークリング、くるりと一回転して相手を撹乱しながら「バチーン」と鋭い張り手を一閃。ジェイドの圧倒的なフィジカルを前に、臆せず正面からパチン!と強烈な一撃を叩き込む。衝撃のファーストコンタクトに会場がどよめく。ジェイドは一瞬目を丸くし、「なに!?」とばかりに鳩に豆鉄砲状態。
ロクサーヌはすかさずリングを飛び出して逃亡。場外で追いかけっこを展開した。ジェイドが追い詰めるも、ロクサーヌは巧みにスライドして逃げ切り、観客を沸かせる。リングに戻ると、ロクサーヌはパワーに翻弄されながらも再び攻撃のチャンスを伺い、すかさずもう一発のビンタ。「バチン!」という音が会場に響き、レフェリーのジェシカ・カーも思わず“うわ、痛そう”と顔をしかめた。
ロクサーヌのスピードと大胆さに、ジェイドは明らかにイライラ状態。頬を押さえながら睨みつけて怒りを溜め込む。当然ながら、ジェイドも黙ってはいない。軽々とリフトしてマットに顔面を叩きつけるパワー技。さらに「これでは足りない」とばかりに、強烈なお返しビンタをロクサーヌに炸裂。拳で殴ったかのような鈍い音と、その衝撃でロクサーヌはフラフラと後退し、エプロンに崩れ落ちる。ペースを握ったジェイドはバックブリーカーから、シンプルにぶん投げてマットに叩きつけ、攻撃の間に腕立て伏せを披露する舐めっぷりと力の暴力で制圧した。
試合中盤、ロクサーヌはヘッドシザースなど返し技で反撃を試みるが、ジェイドは冷静に対応。ロクサーヌが必殺「ポップロックス」を狙うも、ジェイドは根こそぎパワーボムで迎撃。終盤、ロクサーヌのブリッジピンやスピンキックも届かず、ジェイドが必殺「ジェイデッド」を叩き込み、ここで試合終了。
ほぼ30センチの身長差からも下馬評では圧倒的に不利とされていたロクサーヌだが、逃げと打撃のコンビネーションなど、23歳にして老獪さすら感じる試合運びで、筋肉女子ジェイドに一矢報いるなど、随所に見せ場を作った。(ABEMA/WWE『RAW』)
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