アメリカの空爆後、一旦停戦に至ったイランとイスラエル。アメリカでささやかれるある「脅威」。それはスリーパーセルの存在だ。
スリーパーセルとは、敵対する国家やテロリストが外国国内に仕掛けた潜入工作員で、普段は一般市民として生活しているとされる。スリーパーセルは実際に存在し、その危険はあるのだろうか。アメリカ政治に詳しい、早稲田大学の中林美恵子教授に聞いた。
スリーパーセルについて、中林教授は次のように説明する。
「スリーパーセルは社会の中にある程度溶け込みつつ、何かが起こったときにいろいろな活動をする。最悪の場合はテロ行為も含まれるが、そういった形で影響力を及ぼし、そしてその社会の安定性を損なう活動をする人たちのことを指すと言われる」
このスリーパーセルをめぐり、アメリカ国内ではCBP(=税関・国境警備局)の長官が職員に送ったとされるメモの内容が22日、報じられた。
「現時点では皆さんにお伝えできるような具体的で信憑性のある脅威は無いが、スリーパーセルやイランの支持者が独自に、あるいはイランの要請に従って行動する脅威は、かつてないほど高まっている」(報じられたメモの内容)
また、アメリカ軍による攻撃の数日前に、イランの核施設への攻撃をトランプ大統領が命じれば、イランはアメリカ国内でテロ攻撃を仕掛ける可能性があるとイランが警告をしていたという報道も。
イランは、こうした間接的な攻撃を本当に実行しようとしているのだろうか。
「イランはかなり代理勢力を使う国だと有名で、様々なテロ組織を支援してきた。そうした人たちを使うことができる状況を誇示した言葉なのではないか。イランがそれを行って、アメリカを完全な敵に回して戦闘に持ち込みたいというところまで計算、思っているかというところは大きな疑問。その言葉自体が欧米のいろいろなところで、イランはそういう怖さがあるという信じ込みがあるので、そこは本当か嘘かわからないが、その恐怖心に影響を与えて、イランの主張や相手の譲歩を引き出す鍵となる言葉に使っている可能性はある。ただ、そんなもの(代理勢力などでの間接的攻撃)は絶対にないということも証明が難しい。イランにとって言葉上のカードかもしれないし、本当に攻撃する可能性もあるのかもしれない」
中林教授「事前に最大限の注意を」
