ゾーラン・マムダニ氏
【映像】将来のNY市長?33歳元ラッパーのプロフィール
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「今夜…私たちは歴史を作った。私は民主党のニューヨーク市長候補になる」(勝利宣言をするゾーラン・マムダニ氏)

【映像】将来のNY市長?33歳元ラッパーのプロフィール

 アメリカ・ニューヨーク市長選の民主党予備選挙で勝利宣言をした、ニューヨーク州下院議員のゾーラン・マムダニ氏。インド系移民の家庭で生まれたイスラム教徒で、ラッパー「Mr.カルダモン」としても活動した経験もある異色の経歴だ。富裕層への増税や市民バスの無料化などを訴え、若者を中心に支持を集めた。

「彼の進歩的なところが好きだ。新人だけどトランプ政権からニューヨークを守る力は十分にあると信じている」(支持者)

 マムダニ氏の予備選勝利に噛みついたのが、SNSに「100%の共産主義者」などと投稿したトランプ大統領だ。「彼の外見はひどく、声は耳障りで賢さにも欠け、愚かな支持者たちに支えられている」と罵倒した。

 33歳という若さながら、前ニューヨーク州知事のクオモ氏らを破ったことで、現地メディアに「大番狂わせ」「政治的激震」などと報じられたマムダニ氏。この背景について、早稲田大学の中林美恵子教授は次のように分析する。

「アメリカの今までいた人たちや、非常に保守的に考えていた人たちが投票先を変えたのかというと、おそらくそうではない。新しい有権者、新しい考え方を持ったいろいろなバックグラウンドの人たちが投票できる年齢に達している。そして、その人たちがニューヨークの地に集まっていることを、ある意味逆証明する事象」(早稲田大学の中林美恵子教授、以下同)

 今回の選挙戦では、民主党の重鎮、バーニーサンダース上院議員の他、2018年の中間選挙の勝利で、史上最年少の女性下院議員として脚光を浴びた、オカシオコルテス氏も支持を表明した。中林教授は、民主党の中で巻き起こる世代交代を表す選挙結果だったと話す。

「民主党をまとめるにあたっても、前回の大統領選挙や議会選挙を見てみると、民主党が自信を失っているような様子が見て取れる。そういった中で、中間選挙が来年あるが、その間までに行われる選挙などについては、やはり民主党が自信を失っている『さてどうしたらいいのか』ということを極端にかっこよく、ストレートに言える人の人気は集まる傾向にある」

極端な左派に対する注目度?
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