事件から3年を迎えた6月、改めてBさんの自宅を訪ねた。Bさんはその後留学も経験し、現在大学の4回生だ。部屋の中にあったのは、中森明菜や甲斐バンドといった昭和の楽曲のレコード。バイクが好きなBさんは事件時のバイクは警察に押収されたが、それからアルバイトでお金を貯めて新たにバイクを購入していた。
実は今回Bさんは、事件についてもっと世間に知ってもらいたいという思いから「顔を出して伝えたい」という強い希望を口にしていた。「亡くなった友達に対して自分が最大限できることを考えたときに、自分が顔を出して声をあげることが一番説得力がある。みんなにもっと事件のことを重要視してもらえる。あの事件を経験している身からすると、すごく聞いてほしいことだったり、悩み抜いた末の結論」。しかし容疑者は現在も逃走中であるため、心配する周囲の声に配慮して断念したという。
Bさんは「事件の前の経緯とかはやはり僕しか語れないので。本当にそこは生きていてよかった。彼がその後、その分を託して僕を生かしてくれたんだなと思う」と語った。
衝撃を押さえてくれたパソコン
