■世界初の発見!他の生物から光を盗む?
そんな中、別所氏は世界初の発見をした。「陸よりも海にはたくさん光る生き物がいるが、魚の光る仕組みは、これまで全く分かっていなかった。しかし、それを明らかにした。分かったことが、キンメモドキという魚のルシフェリンとルシフェラーゼを探していたら、ウミホタルのルシフェリンとルシフェラーゼが見つかった。この魚は自分では光る物質を作り出せないが、餌から取り込んで使っていた」。
そして、「基本的に光る生き物を食べても、その持ってるルシフェラーゼは分解されて、うんちになり、光らないものになって出てくる。でも、この魚はタンパク質の機能を持ったままとり込んでいる。光る現象に限らず、全ての生き物の中での初めての発見で、餌から摂とったタンパク質を、半年経っても消化せずに使い物になっている」と続けた。
この研究をどのように応用していくのか。別所氏は「例えば、遺伝子の働きを調べるために細胞を光らせたりする役割もある。光を応用するなら、光る街路樹を作る。それが大阪大学の永井教授という方が今実際にやられてる」と語る。
今後については、「生き物がどういう風に光る能力を獲得してきたか、進化の研究もしている。最近の研究で、5億年以上前から海では光る生き物がいて、光を使ってコミュニケーションをしていたことが分かっている。そういう中で、海底掘削などで海に泥を巻き上げたりしてしまうと、光が通らなくなる。5億年ずっと光を使ってたのに、急に光を使ったコミュニケーションができなくなったら、生き物にすごい深刻なダメージを与えるんじゃないか。そういう意味では、生き物がどうやって光を使ってるかを明らかにすることで、人知れず深海で光ってる生き物たちを守る研究につながるといい」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
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