アジア新興国から学ぶべき教訓とは?

ベトナムの“不利な合意”
拡大する

 一方、7月2日にトランプ大統領がSNSで発表し、新たにアメリカとの貿易協議に合意した国がベトナムである。

 ベトナムからアメリカへの輸出品には、当初課すとしていた46%の関税を20%に引き下げ、ベトナムで積み替えてアメリカに出荷される製品に課す関税は40%に。一方、ベトナムがアメリカの製品に課す関税はゼロにするという、「不平等」な内容となった。

 なぜベトナムはこのような“不平等な合意”に至ったのか。

 西浜氏は「ベトナムにとって今、アメリカは最大の輸出相手先。これに打撃が加わると、経済成長率目標8%へのハードルが上がってしまう。それを避けるためにもなんとか早めに決めたかったのではないか」と分析する。

 では、アジア各国の対応などから日本が学ぶべき教訓とは何だろうか。

「“是々非々”が意外に大事だと思う。アジアの中だとインドが面白い交渉をしている。自動車関税に対して報復関税を出したり、鉄鋼製品に対する追加関税に関してもWTO(=世界貿易機関)に提訴したりした。交渉を裏でやりつつも“是々非々”で、おかしいと思うことにはおかしいと、国際条理にも訴える対応をしている。日本も、やられっぱなしなのではなく、『おかしいことにはおかしい。ただし飲めるとこは飲める』と、交渉していく必要性が高いと思う」(西浜徹氏)

(『ABEMAヒルズ』より)

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