しかし、なぜモバイルバッテリーは、機内では手元はOKで収納棚はNGなのか。電子機器メーカーで半導体の設計などを行う、電子回路設計エンジニアの山崎雅夫氏に話を聞いた。山崎氏はみずからモバイルバッテリーを分解し構造などを調べるなど、モバイルバッテリーを知り尽くす専門家だ。
「衝撃とかは関係あると思う」と語る山崎氏は「爆発するときは爆発する。机に置いておいたり、保管していても爆発するので、かなり危険だと思う。実際の体感だと発火リスクはそんなに多くはないと思うが、確率的にゼロではないので、きちんと火が出たときにすぐ対応できるところに置いておけと。何かあったらすぐわかるように、持ち込みに制限がかかったのだと思う」と今回の新ルールについて解説した。
山崎氏によると、モバイルバッテリーのほとんどはリチウムイオン電池を採用。リチウムイオン電池は熱や衝撃に弱く、過度な充電や落下などを繰り返すと劣化し、内部に可燃性のガスがたまり膨張し、発火する可能性もあるという。
発火の強さについては「とんでもないことになると思う。大きさの割にすごい勢いで燃えるのと、水をかけても消えない。ダメになるまで燃え続ける。道端でバケツに放り投げたりしないとダメ」と説明。発火した場合、すぐさま対処できるように収納棚はNGということのようだ。
モバイルバッテリーの危ない製品の見分け方
