■女性アナから編成局長、そして社長へ

榎木田朱美氏の略歴
拡大する

 榎木田氏は宮崎・日南市出身で、宮崎大学教育学部を卒業後の1992年にテレビ宮崎へ入社した。報道・情報番組キャスター18年、メインMC7年などを経て、2021年に編成業務局長となった。他にも報道制作局長、取締役などを歴任し、2025年6月に社長就任した。

 市民の反応については、「これまでも地元で『いつも見てるよ』と声をかけられてきたが、『期待してるよ』『時代が変わったね』に変わった。女性から『希望だ』と言われることもあり、プレッシャーも感じる」と明かす。

 アナウンサー職も継続しており、「子育て番組に出演している。子育ては大事な社会へのメッセージだ。UMKとして発信するメッセージがあれば、番組も続けて、発信の機会を作りたい」と意気込む。

 UMKテレビ宮崎は、1970年4月1日に開局し、現在の従業員数は約170名(平均年齢 38.9歳)。FNN、NNN、ANNそれぞれとニュース協定を結ぶ、全国唯一の3系列クロスネットだ。

 クロスネットでは、複数の系列の放送局(キー局)と契約する。複数系列から番組供給を受けて、どの系列の番組を放送するか選択可能だ。災害時には、契約しているキー局から、応援人員が駆けつける。なおテレビ宮崎の場合は、日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日の3つのキー局と契約している。

 実は榎木田氏は、キャリアとして社長を意識していなかったという。「アナウンス部長という管理職になったときに、創業50周年を準備するコンテンツ開発部門の部長も任されたが、『テレビの敵』とされるネット配信設備の整備に、なかなか会社がOKを出さなかった。民生機器を集めて、低コストでアナウンサーの配信を始めると、この設備でコロナ禍の会見も配信できた。そうした過程で『UMKのあるべき姿』を形にする醍醐味を覚えた」。

■これからの時代はコミュニティ?地方テレビ局にもチャンス
この記事の写真をみる(3枚)