赤沢大臣 訪米して誰と交渉?
【映像】「『ラトちゃん』と『赤ちゃん』って感じ」赤沢大臣のSNS投稿
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 大阪・関西万博で開催されるアメリカの「ナショナルデー」に合わせて来日するベッセント財務長官。18日には、石破総理と総理官邸で面会予定。19日には、赤沢経済再生担当大臣が、万博に同行する予定だという。

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 これまで7度、訪米を繰り返してきた赤沢大臣。いわゆる「押しかけ外交」で相手を動かしてきた。

 しかし、7回目の訪米ではベッセント財務長官との面会は実現せず。そして今回、そのベッセント長官が日本にやってくる。絶好の交渉のチャンスとも思われたが、赤沢大臣は関税協議について踏み込んだ発言を避けた。

 関税協議が進まない背景について、上智大学の前嶋和弘教授は以下のように説明する。

「ベッセント財務長官は一人で決められない。上にトランプ氏が常にいる。トランプ氏が赤と言えば、絶対白であっても赤である。そもそも今回の交渉は難しいのかもしれない」(上智大学・前嶋和弘教授、以下同)

 状況を踏まえ、赤沢大臣も関税協議の行方について慎重な姿勢を示している。

 一方で、赤沢大臣が頻繁に接触を重ねてきたのはラトニック商務長官で、交渉の実質的な窓口は、ベッセント氏ではなくラトニック氏に移っているという見方もある。

 しかし、日本側の働きかけは、成果には結びついていない。そんな中、トランプ大統領は15日、関税をめぐる協議でインドネシアと合意したと明らかにした。

 一方、日本に対しては「相手に応じる気があるなら(書簡で記した)ディールを変えることもある。例えば、日本が市場を開放するとか。でも、日本はそうしない。本当にしようとしない。だから書簡通りに進めるかもしれない」と述べた。

 その数日前にも、「日本はアメリカの車を受け入れないし農産物もほとんど受け入れてくれない。しかし、日本はとても速いスピードでやり方を変えている」と不満を口にした。

 内容は曖昧なまま圧力をかけてくるが、交渉の行方は依然として不透明である。

 ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターで、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介氏は、以下のような見解を示す。

「各国の交渉状況に対して、無闇に焦っても仕方ない。赤沢さんは粘り腰でよく頑張っている。譲れない国益は譲らない。『ゆっくり急ぐ』という当初の方針を貫徹していくことが大切だ」(神庭亮介氏)

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