K-1では連敗中のアカピャンだが、FEA WGPライト級王者やRCC Fair Fightウェルター級王者など複数のタイトルを持つ世界レベルのファイター。対する璃久は、K-1/Krushで7戦5勝2敗と大きく勝ち越しているものの、このところトーナメントで不振が続く日本勢の“ K-1 -70kg世界最強決定トーナメント本戦出場査定試合”の位置づけに奮起の一戦となる。
試合は1ラウンド開始直後から、両者ともに緊張感のある立ち上がり。アカピャンが鋭いローや前蹴りで牽制するも、璃久も冷静に蹴りやアッパーをまとめ上々の序盤。
ABEMAのゲスト解説・魔裟斗は、ボディや蹴りから連動して繰り出すアカピャンのフックについて早々に言及。「右が大ぶりで軌道が見え難い。ハンマーを打ち下ろすようなね」と警戒した。
璃久がロープに追い詰めて連打で試合の主導権を握る場面でも、ガッチリとガードを固める所作に「しっかりグローブの中から(相手の動きを)見ている」「ガードの上から打たせている」と魔裟斗がその落ち着き払った試合運びに言及した直後、アカピャンの猛攻が口火を切る。
璃久の連打に対して前に出て右をひと振り、踏み込んでの左。手数を見せ続ける璃久だが、打ち終わりのがら空きにアカピャンが左フックを一閃。これで激しく脳が揺れた璃久はたまらず後退。さらにアカピャンが突き刺すような3連打で最初のダウンを奪う。
ファンも一連の攻防で「強い」「無茶苦茶や」「骨の太さが違う」「レベルが違う」「力の差が歴然」「冷静で上手い」と絶句。ラウンド残り10秒、璃久はなんとか立ち上がるものの、再びアカピャンの連打を浴びて2度目のダウン。レフェリーが試合をストップした。
ここ2戦、海外勢との対戦で連敗中だったアカピャンだが、冷静な試合運びと一撃の重さで真価を発揮。魔裟斗は「フィジカルが強い外国人同士でやるとそんなにパワーは感じないけど、フィジカルの差がある(日本人)と力強さを感じますよね」と、埋めることのできない海外勢とのフィジカル差を指摘。
もう一人の解説者。石井館長こと石井和義K-1アドバイザーは「今更ながら魔裟斗は凄いんだなと思うね。あと佐藤(嘉洋)の2人、こんな選手たちと戦って勝って来たんだから…」とかつて海外勢と激戦を繰り広げてきた旧K-1 MAX勢に思いを馳せつつ、敗れた現K-1ファイターについては「ハードルが高すぎますよ」とひと言。世界の主流スーパー・ウェルター級で厳しい現実を突きつけられる形となった。
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