■「『じゃあ大人が信じてみよう』ということに今チャレンジしてる」

安藤正晴氏
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 安藤氏は、TikTokを始める具体的な経緯について、「校長になって6年目で、今年の4月から、化粧、ピアス、髪を染めるなど子どもがしたいことを、生徒指導の対象から外すと家で話してたら、『それは全国の高校生や中学生にもやった方がいい。これ絶対バズるから』と息子が言い出して、『やってみてもいいけど、金は払わないよ』っていうのがスタートだ」と説明する。

 改革の手法については、「TikTokで全国の中高生から『こんなコースを作ってほしい』『こんな格好してほしい』というコメントを拾って、実際にやってみる」という。

 反響も大きく、「中高生だけでなく、大人が『自由にするのはいいけど、マナーやモラルはこんなことでやってください』などの意見が多かった」「全国の子どもたちは、いろんな考え持っていて、より頑張らないといけない」。

 効果について、「少し不安だったが、先生方と面談したら、みんな良かったと話す。生徒を信じることで、子どもたちも化粧して隠れることもなくなり、家のことや将来のこと、彼氏、彼女のことを全部話してくれる。だから、教員も生徒と心と心で向き合えるようになった。今のところ、マイナスなことが1つも出てきてない」と明かす。

 学校改革の考え方については「生徒の主体性を大切にする学校が今たくさん出てきてるが、生徒指導も任せてみるのが本来の姿。生徒から『この校則は作ろう』とか出てきてもいいと思う」。

 また、「うちは『進学校ではない』とオープンスクールではっきり言う。進学校ではない学校は管理しないと暴れん坊になると言われているが、その差を考えたときに、教員が子どもを信じてるかどうかだと思う。我々の学園では、『じゃあ大人が信じてみよう』ということに今チャレンジしてる」と述べた。

■SNSは「“使うな”ではなく、“使ってみる”」
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