ところがここから稲葉八段の闘志に火がついた。80手を過ぎたあたりから徐々に形勢で盛り返すと、87手目に指したのは自陣にいた相手の飛車取りを狙いつつ、後手玉にもプレッシャーをかける攻防の▲8七角。この一手が勝負と見たのか、稲葉八段はパチンどころかビシッと駒音を立て、少し滑らすようにして8七の地点に角を打った。
先輩の気迫を見た後輩も沸かずにはいられない。控室にいた上野裕寿五段(22)が「うおー!これは来てる。すさまじい手つき」と驚くと、吉池隆真四段(20)も「あはははは!これは自信アリなのではないですか」。さらに上野五段は「盤、割れるよー」と続けて盛り上がり続けた。
このやり取りに共感したファンも多かったようで、コメントでも「うおw」「手がしなった」「若者楽しそう」「若手喜ぶ」といったものが多く寄せられていた。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

