■党の分裂を防ぐには退陣は不可避?
20日の参院選で自民党は13議席を減らし、非改選分と合わせて101議席に。公明党も6議席減らして21議席となり、自公合わせても122議席と過半数「125」に届かなかった。戦後初めて衆参両院で「少数与党」になったことに、自民党総裁でもある石破総理の責任を問う声は党内外からあがっている。
藤川氏は一部報道では「退陣へ」と見出しを打った記事も出た一方、石破総理本人が否定することについて「来月までに進退を判断するということで、もう少し丁寧に言うと『退陣は避けられない状況』。遅かれ早かれ辞めなければいけない状況だ」と説明。石破総理は麻生太郎氏、菅義偉氏、岸田文雄氏という総理経験者3人と党本部で会談したが「本当に続投したいと強く思っていたなら、党内からこれだけ批判が出ていたら『自分が続けられるように協力をしてください』と話してもおかしくないのに(同席した)森山裕幹事長が『それはなかった』と言っている。続投に協力を求めていないし、辞任しない考えや続投に理解を求める発言がいずれもなかった。続投は考えづらい」と分析した。
党内の反応は実際、どんなものか。旧石破派の山下貴司衆議院議員は「総理経験者と現職総理の話し合いは、非常に重たい会談だったと思う。『強い危機感を共有した』のはもちろんだが『党の分裂はあってはならない』というのは、強いメッセージだと思う。会談後の元総理のお三方の表情を見ても、やはり党の分裂はあってはならないというところは共有されたのではないか」と語る。また同じく旧石破派の田所嘉德衆議院議員も「しっかりとした総括に基づいて、どのように進めたらいいか、本当に責任を取れるのかを真剣に考えたと思う。その中でこれからのいろいろ意見を聞きながら進めたいという、慎重な姿勢を強く感じた」と述べた。
党の分裂を避ける意味合いは、藤川氏も重視する。「党の分裂を回避するというのは非常に重い。今回の選挙だけでなく去年の衆議院選挙、6月の都議会議員選挙、今回の参議院選挙と3連敗し、石破総理が総裁として責任を取るべきだという意見が党内あるいは議員だけでなく地方組織からも上がっているという状況。分裂を回避するためには、いずれかのタイミングで総理が辞めざるを得ないという流れだ」。
また総理経験者3人との会談の内容については「麻生さんは麻生派という派閥を今も率いている。岸田さんは派閥は解散したが、旧岸田派のメンバーとは連絡を取り合っている。菅さんも菅グループの仲間がいる。それぞれ側近がいるので、話し合いはどうだったかと、少しずつ漏れ伝わってくるのではないか」と予想した。
■続投の可能性は…総裁選で再度「信を問う」?
