シンパパ・仙田学さんとその娘2人
【映像】シンパパ・仙田さんが娘に渡した、生理の記録用の手帳
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 東京・渋谷区の「フローレンスこどもと心クリニック」で、2025年6月から「小学生からのピル外来」が始まった。ピルを飲むことで女性ホルモンを調整。経血量を減らし、生理による腹痛を緩和することができるという。

【映像】シンパパ・仙田さんが娘に渡した、生理の記録用の手帳

 同院の栗原史帆医師は、「生理のせいで日常生活がいつもどおり送れなくなる子は結構いる。そういう子たちには鎮痛剤ももちろん出すが、最終的にはピルのほうが良く効く」と話す。我慢するのではなく、薬で症状を和らげるなど、生理の対処法はアップデートされている。

 そんな中、“娘の生理”への向き合い方に悩んでいるのが、父親たちだ。2人の娘を育てるシングルファザーで、小説家の仙田学さんは「『友達がダイエットしてすごく痩せた』と聞くが、うちの子たちは痩せている。たくさん食べさせるほうに気をつかう」と話す。

 中学1年生の長女と小学5年生の次女とは極力、毎日夕食を一緒にとるように心掛けている。この日の話題は、長女の友達が恋人にフラれた話。こうした話題が食卓に上がることも増え、仙田さんは娘の成長に戸惑うことも増えたという。「身体の変化にすごく気をつかう。生理用品もそうだ。自分が知らないこと、経験してこなかったことで、子どもと一緒に一から調べて考える大変さがある」。

 さまざまな種類があるナプキンを、昼と夜で使い分けることもある。そうした調べた情報は話せるが、「(ナプキンの)使い方は生々しい話になる。性が違うと、どうしても踏み込んでは良くないのかなというところがある。そこは話さないようにしている」そうだ。

 ある調査では約8割の女性が、父親と生理に関して話したことがないとの結果が出た。一方で、話したことがある女性の7割は、「自分の不調を理解してほしかった」ことを理由に挙げた。

 仙田さんも、長女の体調を把握するために、「生理が来た日に印を付けておくと、体調管理がしやすいよ」と、手帳を買って手渡した。ただ、娘の成長に合わせてどう関係を築くか、悩みは尽きない。「娘と父親の関係性は、その後の男性観や人間観につながる。『お父さんは私の体について知ってくれている』となると、『男の人は自分を大事にしてくれる』につながる」。

■「親は“ジャッジメント”をせず、事実を伝えること」
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