7月26日(日本時間)にアメリカで開催された、最も権威ある漫画賞のひとつ「第37回ウィル・アイズナー コミック・インダストリー・アワード」(The Will Eisner Comic Industry Awards、以下アイズナー賞)で、伊藤潤二氏の“殿堂入り”が発表された。

【映像】伊藤潤二『コレクション』 第1話 「双一の勝手な呪い」「地獄の人形葬」

 これまで伊藤潤二作品のアイズナー賞受賞歴は、2019年に英語版『伊藤潤二傑作集10 フランケンシュタイン』が「最優秀コミカライズ(漫画化)作品賞」、2021年には英語版『地獄星レミナ』が「最優秀アジア作品賞」、同作と英語版『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』が「Best Writer/Artist部門」、2022年に『伊藤潤二傑作集4 死びとの恋わずらい』が「最優秀アジア作品賞(Best U.S. Edition of International Material―Asia)」を受賞。これら4作品の受賞を経て、ついに“殿堂入り”という快挙を達成した。

 アイズナー賞の“殿堂入り”となった日本人はこれまで、手塚治虫氏や宮崎駿氏、「ポーの一族」で知られる萩尾望都氏、「はだしのゲン」の中沢啓治氏ら。錚々たる面々に続く栄誉ある知らせとなった。

【伊藤潤二氏 受賞コメント】
この度、アイズナー賞の殿堂入りという大変な栄誉を授かりました。過去に4度、部門受賞の栄誉に賜り、さらに今回、偉大な先生方が受賞された殿堂に仲間入りをさせていただく事は、誠に身に余る事で、いまだ信じられぬ思いです。1作1作、なるべく手を抜かぬように努力してきた事が報われた思いです。そしてこの栄誉にあぐらをかくことなく、これからも作品作りに励みたいと思います。
改めてアイズナー賞の選考委員の皆様をはじめ、これまで応援してくださった読者の皆様、そして作品作りにお力をくださった各出版社様、とりわけ素晴らしい翻訳と装丁で出版してくださったアメリカVIZ Media様のお力添えに、心からの感謝を申し上げます。この度は誠にありがとうございました。

2025年7月 伊藤潤二

【伊藤潤二氏略歴】
1963年7月31日、岐阜県中津川市生まれ。高校を卒業後、歯科技工士学校に進み歯科技工士となるが、1986年に朝日ソノラマの少女向けホラー雑誌『月刊ハロウィン」に創設された新人漫画賞「楳図賞」に『富江』を応募、佳作入選した事をきっかけに漫画家デビュー。歯科技工士として働きながら、同誌に作品を発表する生活が続いたが、3年後に専業漫画家となる。以後『富江』シリーズ、『双一』シリーズ、『道のない街』、『首吊り気球』、『死びとの恋わずらい』などの唯一無二の作品を執筆し続け、現在に至る。