■「敵の敵は友」

佐々木俊尚氏
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 文筆家で情報キュレーターの佐々木俊尚氏は、「今回の参院選で、自民は間違いなく負けたが、立憲民主党や共産党、社民党も壊滅的な打撃を受けている。旧来のリベラルが凋落している近年の傾向が、ますます加速した。だから今後、旧左派勢力が政権を握る可能性はほぼゼロだ」と指摘する。「その中で勢力を伸ばしているのが、参政党と国民民主党、そして日本保守党だ。中道右派もしくは、すごく右。そういう状況下では、石破自民党は保守本流より左寄りに見えるため、そこに左派政党の人たちが一筋の望みを託している構図だろう」。

 その上で、96坊主さんの投票行動は「いま言った構図とは異なる」として、「旧来の“左右”が、もはや何の意味もなくなっているということではないか。『石破氏が好き』は、自民党内で干されて、やっと総理になれたのに、相変わらず麻生氏や岸田文雄氏に嫌われているところが、『敵の敵は友』といった仲間意識につながっている。イデオロギーではなく、個人の好みとして『好きだ』と言っている人が多いのではないか」と考察する。

 お笑い芸人のケンドーコバヤシは、「デモのニュースを見て、率直に『愛なき応援』のように不気味に感じていた。応援していない人が応援する怖さを覚えていたが、96坊主さんの話で『愛があるんだ』と知った」と驚く。

 その上で、参政党に投票したという話を聞いて、「ますますパニックになった。考えれば考えるほど、芯が見えなくなる」と感じた。また石破氏については、「個人攻撃ではないが、バラエティー番組にすごく出ていた時期に、『もっとも冗談が通じない人だ』との体感があった。安倍晋三氏は通じた」と評した。

■「『右か左か』ではなく、『本音派と建前派』」
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