そんな中、伊東市議会の青木敬博副議長は「なんでこんな人が政治家を。田久保劇場をいつまで続けるのか」と言い放った。

 田久保氏は5月の市長選で、在任8年の前市長に挑戦。勝利して新しい図書館建設を阻止した。ところが、1通の文書が事態を急変させる。「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか私は除籍であったと記憶している」と、学歴詐称を告発する文書が全市議宛に届いたのだ。田久保氏は、議長や副議長など一部の関係者に、“卒業証書”らしきものを見せたが、なぜか“チラ見せ”で、告発文書は「怪文書だ」と主張した。

 その後、会見で「大学に問い合わせたら除籍だった。詐称ではない」と釈明したが、市議会は「百条委員会」を設置し、辞職勧告の決議案を全会一致で可決した。そして田久保氏は謝罪会見でピンクのジャケットを着用し「7月中に辞任し、出直し市長選に出馬する」と表明した。

 そこに市長と大学時代の同級生だと名乗る人物が、「田久保だけ卒業できないのはかわいそうなので、卒業証書をお遊びで作ってあげた」と証言。百条委員会が“卒業証書”の提出を求めるも、田久保氏は拒否した。

 なお市長の弁護士は「卒業証書はまだ私の金庫に入れて預かっている」とした上で、「黙秘権」を理由に任意提出に応じない考えを示した。仮に強制捜査になったとしても、差し押さえは許されない行為だとの見解を述べた。

 一方で、伊東市内の建設会社社長は、田久保氏に公職選挙法違反の疑いがあるとして、伊東警察署に刑事告発し、警察は正式に受理した。すると田久保氏は辞職の意向を撤回し、続投を表明したという流れだ。

「隠そうとしたかが問題で経歴がどうかではない」
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