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 現在、男性は毎日このログハウスを訪れ、敷地内の畑でキュウリやスイカなどの野菜を育てている。収穫した野菜は食べきれないほどで、知人にも配布。ログハウスは畑仕事中の休憩小屋として活用している。

 そして、もう一つの楽しみが海釣りだ。ほぼ毎週のように海へ繰り出しているそうで、この日は前日に釣った高級魚・イシガキダイを手際よく三枚おろしにし、刺身で捜索隊にも振る舞ってくれた。

 男性の妻への想いは、今も続いている。ログハウスの畑で育てた『シキミ』を持って、ほぼ毎日、車で5分ほどの山の上にある墓参りに訪れているという。海を見下ろす絶景に立つ岩倉家の墓に眠る妻に報告するのは、「家族仲良くやってるよ」。

 20歳になった一番末の孫の名前「しおん」は、妻が亡くなる前、3つほどの選択肢の中から選んだもの。「紫苑」の花言葉は「追憶・追想・君を忘れない」だ。「(家族に込められたメッセージが)あるのかもしれない」。そう話して笑う男性は、妻を心に抱いて生きていく。

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