敵のトラベリングを主張する日本の選手たち
【映像】日本はトラベリング主張…微妙すぎる「ゼロステップ」
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【FIBAアジアカップ2025】イラン代表 78-70 日本代表(日本時間8月8日/キング・アブドゥラー・スポーツ・シティ)

【映像】日本はトラベリング主張…微妙すぎる「ゼロステップ」

 解説も困惑する際どい判定だった。イラン代表のオフェンスの場面で、アカツキジャパン(バスケットボール日本代表)の選手たちが「トラベリングでしょ!?」と抗議。しかし、判定は覆らず、解説者やファンの間でも物議を醸していた。

 アカツキジャパンは8月8日、FIBAアジアカップ2025のグループフェーズ2節でイラン代表と対戦。グループ最大のライバルとの試合は、序盤からロースコアで一進一退の展開となった。

 そんな中、第2クォーターの残り4分10秒のシーンで、物議を醸す際どい判定があった。イランのモハンマド・アミニが、ドリブルからのレイアップを狙う。これに対して西田優大がタイトにつく守備で粘るも、接触が生まれたことでファウルの判定となり、イランにフリースローが与えられた。

 一方、日本の選手たちは一斉にトラベリングがあったと主張。とくにアミニに付いていた西田は、「嘘でしょ?」と困惑の表情を浮かべながら腕を激しくクルクル回していた。バスケットボールでは、ボールを保持した状態でドリブルをせずに3歩以上歩くと反則になるが、それに該当する疑惑があったことによる抗議だった。

 しかし、この場面ではトラベリングの判定にならなかった。その理由は2017年10月よりFIBA(国際バスケットボール連盟)でルール改正が行われた「ゼロステップ」という考え方に基づくものが影響している。それまではボールをキャッチした時点で1歩目とカウントされていたが、ルール変更後はキャッチと着地が同時だった場合はカウントされない形に変わったのだ。

 審判の判定では、アミニのシーンはこれに該当したというもの。ドリブルしていたボールを掴んだタイミングでの着地が0歩目と判断されたことで、トラベリングの判定にならなかった。

 ただ、日本の選手たちが一斉に抗議したように、かなり際どいシーンだった。ABEMAで解説を務めた篠山竜青(元男子日本代表)もリプレイ映像を見ながら「これは1・2・3歩にしか見えないですけどねー。わかんないなー」と語り、同じく解説の髙田真希(女子日本代表)も「トラベリングに見えますよね。(日本の選手たちが)みんな言ってますしね」と同調した。

 この場面はABEMAのコメント欄やSNSでも話題となり、ファンから「さすがにトラベリングだわ」「審判しっかり見てくれ」「ゼロステップじゃなくない?」「ゼロステップ難しいよな…見てて分からん」「イランのドリブル、全部トラベリングに見える」「ボールの突き出しより、足の方が先に動いてる気がするんだけど…」「笛の基準が違うからなぁ」などの声が出るなど、物議を醸していた。

 実際、ゼロステップは審判による裁量が大きく、肉眼でボールのキャッチと足がコートに着地するタイミングを確認するのは難しい。そのためややグレーな部分とも言えるかもしれない。ただ、この現行ルールをイランは上手く活用したと言えるだろう。この場面でファウルを獲得したアミニは両チーム最多となる24得点を記録しており、日本はその独特なステップへの対応に後手を踏んでいた印象も否めなかった。

 なお、試合は最終クォーターに勝ち越したイランが78ー70で勝利。敗れたアカツキジャパンは、8月10日にグループフェーズの最終戦で、決勝トーナメント進出をかけてグアム代表と対戦する。

(ABEMA/FIBAアジアカップ2025)
 

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