■人に寄り添いすぎたGPT-4o

AI依存とは
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 生成AIの方が寄り添ってくることで、人間が過度に依存してしまうという懸念は、以前からもあった。ひろゆき氏は「寄り添い過ぎはよくない。ある程度のラインで切るべきで(ユーザーが)言っていることをここまで社会は理解するけれど、その先は同意しないという境界線を引かないといけない。カウンセラーはそれをするが、AIにそれがないままズブズブと行ってしまうと、それが当然だと思ってしまい、受け入れない人間社会が悪いとなって、どんどん悪化してしまう」と、なんでもAIが受け入れてしまう危険性を訴える。その上で「寄り添ってくれるのは気持ちいいが、それを使いすぎるのは人間にとって悪なので(ロールバックした)OpenAIの判断は正しいと思う」と評価した。

 今井氏も同じ意見を持つ。「これはやっぱり危ないこと。GPT-4oは『あなたは悪くない。現状維持でいい。社会が間違っている』と言う。ただしGPT-5は『あなたのそこは問題ですね』と問題を解決するように言う。努力しようというので現状維持ではない。やはり現状維持のままだと、いずれ社会との繋がりが切れてしまい『AI君と私だけでいい』ということにもなってしまう。話していて気持ちいいだけではなく、どこかで線を引くべき。その人にとっていい方向になるようにするのがセラピストだ」。

 また、今井氏も同じくOpenAIの判断には理解を示す。「今の生成AIの挙動を完全に制御することは、もう研究者にもできない。OpenAIの研究者はとても理性的で、アルトマンCEOも心の中では依存的なものを生み出すのは良くないとわかっている。ちょっとずつバランスを取っていたけれど、事故が起きてしまったのでロールバックしてよかったと思う。ただし、思ったよりもGPT-4oを求める人が多かったので世界中で騒ぎになったということだ」と、英断だったと支持していた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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