■何気ない「おはよう」の投稿が世界でなぜバズったのか
バズった発端には7月23日、ブロンド&青い瞳の白人俳優シドニー・スウィーニーさんを起用したジーンズ広告が、米国内で物議を醸したことがある。そして25日、佐保里さんが、いつも通り写真付きで「おはよう」とポストすると、26日に海外ユーザーの間でバズり始めた。28日には海外ユーザーが写真を引用し、「スウィーニーさんとどっちがいい?」とポスト。すると、佐保里さんの写真が海外でミーム化し、31日にはイーロン・マスク氏にも見つかった。
話題のCMは、「シドニー・スウィーニーは素晴らしいジーンズ(JEANS)を持っている」というもので、「私のジーンズ(jeans)は青」「遺伝子(genes)は親から子へと受け継がれる」とのセリフがある。「素晴らしいGENES→JEANSを持っている」と書き換えるバージョンもあり、視聴者からは「白人至上主義」「ナチス的な優生思想」といった批判が見られる。
海外ユーザーによる28日の比較投稿は、3801.6万件の表示がされ、返信3358、リポスト4101、「いいね」6.9万、ブックマーク1.6万を記録。Xのアンケート機能では「どっちを選ぶ?」との質問が行われ、「セクシージーンズのスーパーモデル」22.9%に対して、「ランダムに選ばれた日本の会社員女性」である佐保里(SAO)さんが77.1%と、大きく引き離した。
7月25日以前のアカウントは、フォロワー7000人程度だった。しかし25日に話題の画像をポストすると、26日に海外ユーザーへ広がり、5~6万「いいね」を獲得。英語で「結婚しよう」などのリプも付き、Instagramにも同じ写真を投稿した(結果フォロワー20万人増)。27日には10万「いいね」となり、28日に英語で自己紹介をポスト(現在29万「いいね」)。29日に20万「いいね」を超え、8月14日現在は27万「いいね」、フォロワー38.4万になった。
フォロワーが急増したことには、「正直実感がない」という。「画面上ではすさまじい数字だが、現実社会は何も変わらない。気付く人もいなければ、働いていた会社でも皆知らなかった。不思議な感覚と、うれしい気持ちで半々だ」。
イーロン・マスク氏が反応したことについては、「びっくりして、本人のXなのか何度もプロフィールを確認した」と振り返り、「1週間で30万人のフォロワーが増えた。いまだに実感がなく、他人を見ているような感覚だ」と語る。
話題となった写真以前にも、写真付きの「おはよう」投稿は行っていた。「2月までアイドル活動をしていたが、その前後も毎朝7時ごろに、写真付きで『おはよう』と投稿するのが日課だった。おそらく1年は続けている」。
そんな日常的な投稿が、ある日突然バズったため、「アメリカ人から『写真が使われているよ』とDMが来て知ったが、最初は『なぜ私なんだろう』と、理解が及ばなかった」のだという。
しかし、今では「視聴者のほとんどが、アメリカなど海外ユーザーのため、日本語で投稿し続けるのは親切ではないのでは」との思いから、英語での投稿も始めた。「応援してくれる人が世界にいるのであれば、世界に向けた活動をしていきたい」。
■炎上騒ぎに巻き込まれた後はどうなる?
