なぜ更新続く?株価高
【映像】「日経平均は“メジャーリーガー”」森永康平氏の解説
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 日経平均株価は先週に続き、今週に入っても最高値を更新している。一方で、株価が上がっても世間ではまだまだ景気が好転した実感は「無い」という声が多いのが実情だ。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、経済アナリストの森永康平氏と株価について考える。

【映像】「日経平均は“メジャーリーガー”」森永康平氏の解説

 株価が上がり続けている背景にはどのようなことがあるのか。森永氏は「いろいろな要因が重なった」と考える。

「1つは、日米の関税交渉が最悪なシナリオは免れたことでポジティブに捉えられている。報道を見ると、これが1つの要因として挙げられているが、それは1個に過ぎない。米中で関税の延長が決まったことや、企業の4-6月期の決算も全体で見れば利益が減ってしまう形にはなったものの、一部のITやハイテク関連銘柄の決算は非常に良かった。同時に、決算が発表されるタイミングで大型の自社株買い、つまり企業が自分たちの株を自分たちで買うことで、需給の観点から株価が上がりやすくなったり、GDPが5期連続でプラスになるなど、結構いろいろな良いニュースがあった」

「相場の世界では夏枯れ相場という言葉がある。日本の株式市場は外国人投資家の比率も多い。外国人は夏休みをしっかりとる人たちが多いので、そういう人たちが市場にあまり入ってこない。つまり、市場に参加している人がいつもより減っている中で、いい材料がいっぱい出てくると買いたいという人の比率が上がるので、株価が一気に上がりやすくなった」

 一般消費者が景気が良くなったと感じる瞬間はくるのか。

「なかなか難しい。まず、景気実感と株価が乖離しているというのはよく聞かれる指摘だが、私はそもそも比較する対象ではないと思う。日経平均は上場している企業、その中でも上澄みの会社にあたる。統計によって数字はバラバラになってしまうが、少なくとも日本には小さい会社も含めて100万社以上ある。その中の4000社だけが上場していて、その中の225社で作ったのが日経平均。一方で、景気実感がないという人たちは、例えば自分の家の近くの商店街がシャッター街になってしまったとか、タクシーに久しぶりに乗ったら運転手がお客さん全然いないよと言っていたとかという話を景気実感という。そうなった時に果たして、日経平均に採用されている大企業と家の近くの商店街の居酒屋などが全く同じかというと、そもそも比較する話ではない。おおよそ一般労働者の7割ぐらいは中小零細企業に雇われているので、そもそも大企業の話とは違う」

日経平均は“メジャーリーガー”?
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